音の日

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Dir en grey『残』

今日はDir en grey『残』を聴いた感想を。


シングル「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」のB面収録曲。


この曲は、日本のロックバンドDir en greyが2009年に発表したメタルコアです。


破壊的ながら、質の高さを感じさせる曲。

1999年にリリースされた「残ーZANー」のセルフカバー曲ですが、そちらがややパンクよりな曲調なのに対し、本作はブラックメタルよりの構造。

京(Vo)は「本当は『HYDRA』が『HYDRA-666-』になったくらいに構成自体変えたかった」と言っていますが、もはやテンポ以外オリジナルverの面影はありません。笑


以前薫(Gt)は「Agitated Screams of Maggots」を「Dir en grey最狂の曲」と評していましたが、本作はリズムチェンジパートなど、狂気の中にも、どことなく思慮深さのようなものを感じさせる内容になっています。


曲展開も良いですがサウンドも濃い。

激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」同様、ミキシングをイェンス・ボグレン、マスタリングをテッド・ジェンセンが行っているので、音作りもハイクオリティなのですが、そもそもメンバー自身の奏でる音色がこれまでより迫力を増しています。

特にShinya(Ds)のスネア音の重さには感服。

オリジナル版の「残ーZANー」の頃の彼と比べると倍近い程の音圧で、叩き方のフォームが研ぎ澄まされているのが解ります。

アルバム「Vulgar」の時から叩き方の研究は重ねていたようですが、年齢を重ねるほどパワフルさを増しているところがかっこいいですよね。


そして、やはり京の声。

オリジナルverでは、裏返りかかった声で叫ぶような、「高笑い系」の狂気を表現していましたが、この『残』ではむしろ低い声で唸る、重量感のある狂気が現されています。

この低音で何度も

「Psycho in Fear」 「Psycho in Doom」 「Psycho in Hate」

と繰り返し繰り返し唸られると、段々とまるで別の世界に連れて去られるような感覚に。

そうして時間をかけてリスナーを惹き付けた後に、シメに京の必殺技のホイッスルシャウト。

デスメタル並みの速度ですが、速さに頼らず、あくまで曲展開で魅せる。

元は薫作曲の作品ですが、激しくも緩急のある曲を作る事が得意な彼ららしい曲です。


超攻撃的。そして聴き手を依存させるような魔性を持つコアを聴いてみてください。



それでは。