音の日

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BOOWY『Marionette -マリオネット-』

今日はBOOWY『Marionette -マリオネット-』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドBOOWYが1987年にリリースしたロックチューンです。

作詞者 氷室京介

作曲者 布袋寅泰

BOOWYならではの迫力が満載の曲。


ミドルテンポなのですが、そのぶん布袋寅泰(Gt)の奏でる、まるで跳び跳ねる少年のようにアクティブなリフが強調され、聴き手にワクワクと高揚感を沸き上がらせてくれます。

リフもそうなのですが、布袋のコーラスもまた良い。

「ここで欲しい」というベストのタイミングで叫んでくれるので、熱いんですけどクドくはない、ロックとして理想的なコーラスワーク。

やっぱりコーラスを使いこなせるロックバンドってかっこいいんですよね。


そして、それと同じぐらい味があるのが歌詞。

「汚れちまって優しさもなくした」 

「疑う事をいつからやめたのさ」
「 そろえた爪(ネイル)じゃ OH! NO NO! とても狙えないぜ」

 「鏡の中のマリオネット あやつる糸を断ち切って」
  「鏡の中のマリオネット 自分の為に踊りな」

ここでの“マリオネット(人形)”の意味は「社会で他人に流されるままの人」の比喩。

社会において多くの人は、自分の意思など貫かず、上司の言う事や組織の慣習に流されるままに生活しています。

それも無難、という意味では良い事なんですけれど、それでも内心では「この仕事は、本当はもっとこうしたやり方した方が良いんじゃないかな」、「この作業は、まだ改善の余地があるな」と、うっすら不満を隠している人も少なくない。

そうした人達に、この先もそのままで良いのか、おまえの地力はそんなものじゃないはずだ、とリスナーの内に秘めた熱に薪をくべるような歌詞。

氷室京介本人は、下積み時代にゲームセンターのアルバイト中、出勤3日目にはそのゲームセンターのゲームで1日中遊んでいたほどの自由人。

当時お金もあまり無く、クビにされたら稼ぎも無いのに、それに怯えずほとんど他人からの非難を気にしない人なんですよね。

それはもちろん他の人は真似しちゃいけない極端な例ですが、そんな無茶をしてもなんだかんだで社会で生き残れる事ができた人が書いた歌詞。

読み手に「自分ももう少しだけ自分を出しても良いのかも」と思わせてくれる厚みを感じさせてくれます。

「人間はもっと自由で良い。意外と生きられるよ。」

そんなメッセージが読み取れる作品ではないでしょうか。


30年以上も前の曲。

にも関わらず、現代人の胸にも、むしろ現代人な胸にこそ突き刺さる普遍性を持つ曲を聴いてみてください。



それでは。