音の日

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ガンマ・レイ『Man On A Mission』

Gamma Ray『Man On A Mission』


アルバム「Land of the Free」収録。

この曲は、ドイツのヘヴィメタルバンドGamma Rayが1995年に発表したパワーメタルです。


ガンマ・レイ曲の中で、最もパワーメタルらしい曲。

激速の中にある高級感の溢れるクラシカルパートは「ザ・ジャーマンメタル」の名に相応しい威厳をほこります。

前述の通りかなりのスピーディーな作品ですが、うるさくはありません。

むしろ中間部分に配置されたリズムダウン+聖歌隊のような合唱パートなどの導入の効果で、圧力よりは情感の方が強調されているように感じます。

こういうロック+濃いめのオペラな構成は、映画の効果で少し前に日本でも話題になった、クイーンの 「ボヘミアン・ラプソディ」を連想。


歌劇のような曲展開もさることながら、個人的に好きなのはカイ・ハンセン(Vo)のボーカルプレイ。

高音でハスキーになるところ、途中の静寂パートでのウィスパーボイスなど、本当に色とりどりの声色の使い分けを楽しむ事ができます。

極めつけはサビでのベルカント発声。

一般にメタル曲のサビでのボーカルは声域の限界近くまで声を張り上げるイメージですが、あえてなのか本作のサビはしなやかな中音域主体。

なんというか、解りやすく「カイ・ハンセンの歌声」っぽさが前面に出ていて渋みがあるんですよね。

サビではあえて叫ばず、伸びやかに歌う展開は後のアングラの「Nova Era」を彷彿とさせます。

多くのガンマ・レイファンから「Somewhere Out In Space」と並ぶガンマ・レイの代表曲と評される作品ですが、それに相応しい超ハイクオリティ+オリジナリティを感じさせてくれる楽曲です。


一見オーソドックスなジャーマンメタルなようでガンマ・レイらしさ、そしてカイ・ハンセンらしさがつまった曲を聴いてみてください。



それでは。