B'z『ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜』
今日はB'z『ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜』について。
この曲は、日本のロックユニットB'zが1996年にリリースしたロックバラードです。
置鮎龍太郎、藤田淑子、笠原留美が声優として出演した事でも知られるアニメ「地獄先生ぬ~べ~」のEDテーマだった事でも有名。
平穏ながらどこか厚みのある曲。
LOVE PHANTOMのシングルリリースの後に発表された作品ですが、作曲者の松本孝弘(Gt)いわく
「派手なイメージが付いた「LOVE PHANTOM」の次のシングルということは意識して製作に入った」。
確かに起承転結の波が激しい「LOVE PHANTOM」と比較するとやや中性的で、どちらというとむしろ「Brotherhood」のような純朴系の魅力をはなっているように感じます。
個人的にこの曲の要は青山純(Ds)のドラム。
あの山下達郎、MISIAのライブサポートも勤めた一流のプレイヤーなのですが、良い意味でバラード曲らしくない、骨太でパワフルな音で演奏しているんですよね。
本作が「ロックバラード感」が強いのは、テクニカルな松本孝弘(Gt)のギターソロも理由の1つでしょうが、彼の奏でるぶ暑くて情熱的なサウンドも重大な要因の1つだと思います。
元々作品自体、
「ミエナイチカラが 僕を今動かしている」
「 その気になればいいよ 未来はそんなには暗くない」
と、「基本的に人が心配してるほど、実際の未来は嫌な事ばかり起こらない」という前向きな世界観の楽曲ですが、まるで青山純の発する音の1発1発がその強く爽快な感情を表しているかのようです。
B'z楽曲でありながら稲葉、松本だけじゃなくバックの演奏にも味がある曲ではないでしょうか。
音色もさることながら、展開的にもさすがのB'zクオリティ。
イントロの時点では松本孝弘と明石昌夫(Ba)の弦楽器隊の高速プレイから始まり、ややハードロックテイストが漂うのですが、その後の稲葉浩志(Vo)のボーカルが入るAメロ部分は緩やかに。
そしてサビに入ると突如転調に入り、リスナーに浮遊感を感じさせます。
稲葉の歌声もかなりの高音なのに、あまり張り叫ぶ感じにもならず、むしろしっとりとして温か。
このコンパクトな演奏時間によくこれだけ沢山の要素を、違和感なく詰め込めるなぁと思います。
この平和的な歌声と重量感のあるバック演奏の化学反応こそ本作の真骨頂。
ロックテイストなのに「癒し」に溢れる曲です。
優しいのに火の玉のようなパワーを感じさせるバラードを聴いてみてください。
それでは。