川田まみ『Serment』
今日は川田まみ『Serment』を聴いた感想を。
この曲は日本の女性歌手、川田まみが2012年にリリースしたポップロックです。
釘宮理恵、江原正士、日野聡が声優として出演しているアニメ「灼眼のシャナIII-FINAL-」のOPテーマだった事でも有名。
スリリングな電子ロック。
ニュー・ウェイヴ色が混ざった鮮やかな音色のロックが、アップテンポでグイグイ聴き手の鼓膜に迫っていきます。
テンポは速めでもメロディはキャッチーで哀愁がある、という昔ながらのアニメソング的強さを持ちながらも、サウンド自体は新しく瑞瑞しい、という現代的強さを持っている、贅沢な構造の作品です。
楽曲自体のクオリティもさることながら、目立つのは川田まみの歌唱力。
下積み時代「春生楽(HAURA)」というボーカルスクールで基礎からみっちり学んだ王道派の歌い手であり、若さからくる勢いと、中音~高音域までスムーズに繋ぐボイスコントロールで聴き手を魅了してくれます。
声を伸ばす場面では彼女名物の「まみびぶらーと」を披露。
光線銃の効果音のような声の波で、楽曲のリズムを心地よく振動。
デジタルサウンドが全面に出ているのに、楽曲に情感が溢れて感じるのは彼女の歌唱法も大きいと思います。
ラストの「そう 「それだけ。」」のロングトーンで、徐々に声が薄れていくパートは本作のクライマックス。
一般に「クライマックス」というと、歌メロのキーが跳ね上がったり声量を増したりするもの。
しかしこのパートはむしろボリュームを落としているのに、むしろ痛切な雰囲気が漂っているところがユニーク。
シャープな曲構造と、エネルギッシュなようで儚さがある歌声の対比が扇情的な作品です。
機械音主体なのにロマンティックな曲を聴いてみてください。
それでは。