音の日

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カーペンターズ『I Need to Be in Love』

今日は Carpenters『I Need to Be in Love』について。

この曲は、アメリカの兄妹ポップスデュオCarpentersが1976年にリリースしたポップバラードです。

邦題は「青春の輝き」。


いしだ壱成香取慎吾SMAP)、反町隆史浜崎あゆみが出演した事でも知られるドラマ「未成年」のEDテーマだった事でも知られています。


ある種の「気のおけなさ」が魅力的な曲。


「朝の4時だというのに目は冴えるばかり」
「一人として友達の姿もなく 希望にすがりついてるだけの私 でも 私は大丈夫よ」

「そうね、私は恋をするべきね そうね、私は時間を無駄にしすぎた」
「そうよ、私は不完全な世界に完璧を求めてる
そして おばかさんなことに それが見つかると思っているの」


実際の世の中でそんな相手が見つけるのは難しいと知りながら、それでもそれを諦めきれない、という想いが表現されています。

ファンの間では、

カーペンターズのメンバー、リチャード・カーペンター (Pi.Vo)、カレン・カーペンター (Ds.Vo)は、幼い頃から音楽の仕事漬けで、まともに恋愛を楽しんだ事が無かった。それを指して「私は時間を無駄にしすぎた」と語っているのではないか」

という推論がありますが、スターだからこそ一般的な幸せを楽しめない空しさが込められた作品なのかもしれません。

兄のリチャードいわく「生前のカレンの一番のお気に入りの曲だった」との事ですが、それは彼女たちが普段しまいこんでいる胸の内を素直に打ち明けた曲だからでしょうか。

ただ、「普通の恋愛が出来ない」、というのは売れっ子ミュージシャンならではの苦悩なのかもしれませんが、「なかなか出会えない、運命的な良きパートナー(恋人)を求める心」というのは、世間の大多数の人に通じるところがあるメッセージですよね。

一般社会の人達も、若い頃は白馬にのった王子様や大和撫子に憧れながら、大人になったら表向き「そんな相手にはそうそう出会えない」と達観的に振る舞います。

けれど、人知れず心の中では憧れが捨てきれず、どこかで奇跡的な出会いを待ちわびながら過ごしている人が居て、まるでそういう人達の胸の内を代弁したような内容にも読めるんですよね。

本作のヒットの理由は馴染みやすい曲調もあるでしょうが、世の中の多くの人が、内心でひっそりと抱えている理想と共感する部分があるからかもしれません。


メロディも「Top of the World」に通じる、ふんわりとした佇まい。

大げさな起伏もなく、自然体で歌っている感じのするバラードで、個人的には「女性ボーカルのビートルズ」というイメージ。

歌詞が痛切なのにメロディが鷹揚というギャップ感もまたこの曲の聴きどころ。


懐かしいメロディにのる、センチメンタルな身近のある歌詞の曲を聴いてみてください。



それでは。