MISIA『逢いたくていま』
今日はMISIA『逢いたくていま』について。
この曲は、日本の女性歌手MISIAが2009年にリリースしたポップバラードです。
大沢たかお、中谷美紀、綾瀬はるか、内野聖陽が出演した事でも知られるドラマ「JIN-仁-」の主題歌としても有名。
MISIAの感情表現力が際立つ曲。
歌詞はMISIA自身が、第二次世界対戦の際に特攻隊員が書いた「戦争に行く前に家族や恋人に宛てた手紙」を読んで着想を得た内容ですが、まるで実際の戦時中の人に成り代わったような、リアルな情感が声に込められています。
「初めて出会った日のこと 覚えてますか」
「過ぎ行く日の思い出を 忘れずにいて」
のパートの歌唱なんて、まるで本当に今、目の前にいる人に向かって呟いているような臨場感。
そしてそのウィスパーボイスのパートもさることながら、それと違う味わいがあるのがサビでの歌声。
「今 逢いたい あなたに 知って欲しいこと いっぱいある」
「ねえ 逢いたい 逢いたい どうしようもなくて 全て夢と願った」
Aメロ部分では近くにいる人に囁くような歌い方だったのが一変、手が届かないほど遠くにいる人に祈るような歌い方に様変わりします。
もちろん、Aメロとサビで歌い方が違うのは他のJ-POPでも普通の事なのですが、MISIAの場合凄いのはその濃淡。
一曲の中に違う曲が2つあるようなはっきりとした声の使い分けです。
作曲者が「陽のあたる場所」を手掛けた佐々木潤の為、メロディの熱量は申し分なく、おそらく誰が歌っても一定の魅力は保たれます。
ですが本作のように国内最高ランクの実力派シンガーであるMISIAが歌う事で、メロディ重視の作品は最大限良さが発揮されるんですよね。
ポップスのバラードにおける、「表現力」それを支える「歌唱力」の重要さを再認識させてくれる楽曲ではないでしょうか。
技術と情。スキルと愛の両方で成り立つ名曲を聴いてみてください。
それでは。