音の日

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アクセプト『Balls to the Wall』

今日はAccept『Balls to the Wall』について。


アルバム「Balls to the Wall 」収録。


この曲は、ドイツのHR/HMバンドAcceptが1983年に発表したパワーメタルです。


「VH1クラシック」の英語版による2012年の企画「America's Hard 100」(140万の投票に基づくハードロック/ヘヴィメタルの名曲のランキング)において5位にランク・インした、いわゆる玄人好みのHR/HM


豪快なのに、魔性の佇まいを放つ曲。

楽曲の特徴としては、その一律感。

特にテンポが速いわけでもなく、かといって劇的な変化があるわけでもないのですが、その格調高いまでの毅然と、同じようなメロディを繰り返して進んでいく様は個性的な中毒性を感じさせてくれます。

その「繰り返し感」の為か、ファン間では「軍歌メタル」、「行進曲メタル」などと表現される事も。

こうして似た展開を繰り返す曲というのは、世間では一見すると「作るのが簡単な曲」、と誤解されがち。

ですが、そういう一歩間違えると単なる冗長な曲になりがちな作曲法で聴き手の心に感動を与える事ができているのはサウンドやメロディ、間の取り方など、絶妙なバランス感覚があっての事なんですよね。

「ドラマティックな展開の曲」とは違う意味で、作るのが難しい音楽を事も無げに生み出すのは、流石はメタル創世期のバンド。


あの「Eduardo Rivadavia」はオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、本作を

「歌詞はヒステリックでナンセンスとはいえ、その後広く知られていく、モダンでゆっくりと行進するようなメタル・アンセムの典型を示した、拳を掲げずにいられない名曲」

と評した事もありますが、その評価も納得のクオリティの楽曲だと思います。

他にも、さりげに荒々しいサウンドの合間に聴こえるピッキングハーモニクス連打など、デリケートな工夫もあり「飽きさせない」事に主軸を置いたような作品。

個人的には時間がある時に、何度か聴き返して楽しむのがオススメな曲です。



それでは。