LiSA『crossing field』
今日はLiSA『crossing field』を聴いた感想を。
この曲は、日本の女性歌手LiSAが2012年にリリースしたロックチューンです。
松岡禎丞、戸松遥、伊藤かな恵が声優として出演している事でも知られるアニメ「ソードアート・オンライン」第一期のOPテーマとしても有名。
LiSA自身の最大のヒット曲。
2017年2月時点、全世界で50万ダウンロードを記録しました。
日本レコード協会からもゴールド、シングルトラック部門においてもプラチナを授与された事でも話題に。
激しくも起伏に富む構成が魅力的。
Bメロ部分で一旦静まり、サビで切れ味鋭く一気に駆け抜ける、チェンジオブペース的な流れがかっこいいです。
特に大サビ前でLiSAが、一瞬タメを作ってから歌い出す場面は本作のクライマックス。
例えるなら浅倉大介の楽曲に、バンド成分を濃いめに注入するとこうなりそうなイメージの曲調ではないでしょうか。
ちなみにその大サビ部分では直前、瞬間的に二重に再生されているかのような工夫が。
一瞬なので一聴しただけでは気付かない人も多いかもしれません。
渡辺翔(作曲担当)のアイディアなのか、とく(アレンジ担当)のアイディアなのかはわかりませんが、一般のJ-POPではそうそう見かけない手法。
「アニメソング」というとまだ日本では一部で軽んじられがちなジャンルですが、中にはその手の偏見を吹き飛ばしてくれるような、こういうハイクオリティな楽曲があるのも事実なんですよね。
鮮やかながら重厚な作りの曲だと思います。
ちなみに歌詞はアニメに内容に沿ったものですが、それだけでもありません。
「目を閉じ世界を 知った」
「眠る小さな想い 拡がり出して 気付く」
「 弱い 私 君がいれば 暗い世界 強くいれた」
LiSA自分はこの歌詞を
「アニメの中でキャラクターが一緒に戦う誰かを信じて、そして誰かを守りたいという自分の心を信じて戦う気持ち。
そして私自身から、私を信じてくれる君(ファン)がいてくれるから、私は私を信じて歌い続けられるという想い、両方を込めてこの曲を届けたかった。」
と語っています。
アニメのタイアップ曲としてだけじゃなく、そのタイアップ曲さえあくまで自己表現の為の媒体とする。
ある意味アーティストの鑑ですよね。
彼女いわく「(この曲は)大切なラブレター」。
LiSAの、自分を支えてくれた人達の感謝の歌でもあります。
物憂げのようで強いメロディ、遊び心が混ざる展開、そして歌い手のフォロワーへの謝辞の想いが込められた曲を聴いてみてください。
それでは。