音の日

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ジューダス・プリースト『The Hellion/Electric Eye』

今日はJudas Priest『The Hellion/Electric Eye』について。


アルバム「Screaming for Vengeance(邦題:復讐の叫び)」収録。

この曲は、イギリスのHR/HMバンドJudas Priestが1982年に発表した正統派ヘヴィメタルです。

本来は「The Hellion」(インスト曲)と「Electric Eye」で別個の曲なのですが、繋いで聴くのがこの曲のファンの間では慣例なので、あえて並べて表記します。笑

Painkiller」と対を成す、彼らの代表曲。

ロブ・ハルフォード(Vo)、K. K. ダウニング(Gt)、グレン・ティプトン(Gt)による共作ですが、組曲形式で、2曲合わせても4分そこそこの演奏時間にも関わらず、大作映画にも匹敵する程のドラマが詰め込まれてるのが特徴的。

最大の聴きどころは、その2曲の「繋ぎ目」部分。

いかにも「これから凄いものが来るぞ」と思わせてくれる曲調の「The Hellion」から、「Electric Eye」のドライブ感ありまくりのイントロになだれ込む様は荘厳ですらあります。

この「インスト曲→アルバムメイン曲」という流れは現在ロック界ではよくある展開ですが、それを一気に王道展開として世に広めたのが、おそらく本作。

影響力、ロックに対する貢献度という観点から見た時に、とてつもない次元のスケールに達した曲ではないでしょうか。

もちろん純粋に楽曲として聴いてもかっこいい。

「Electric Eye」は一見シンプルなHR/HMのようですが、ツインギターでのギターソロ、デイヴ・ホーランド(Ds)の後ノリのビートなど、フックに溢れる工夫が組み込まれています。

また、活動前期ならではのロブの中音域での歌唱も聴きどころ。

一般のロックボーカルと比較すれば普通のキーなのですが、そのキーでさえ後期のロブと比べると相当低く聴こえてしまうから面白い。

ロブの中音域は、めちゃめちゃ声量がある、という感じではないんですけど滑らかさと艶があり、不思議な聴き心地の良さを感じさせてくれます。

絶叫超ハイトーンと、艶やかな中音域を場面ごとに使い分けられるのが彼のオリジナリティではないでしょうか。


あのハロウィン(シングル「The Time of the Oath」)や、アズ・アイ・レイ・ダイング(アルバム「Decas」)でさえカバーした、大御所から尊敬される超大御所バンドの代表曲を聴いてみてください。



それでは。