音の日

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ゲイリー・ムーア『The Loner』

今日はGary Moore『The Loner』について。


アルバム「Wild Frontier」収録。

この曲は、北アイルランドのロックギタリストGary Mooreが1987年に発表したハードロックです。


ギターで「歌い」まくっている曲。

インスト曲ですが大胆なほど抑揚のある感情表現をしていて、まるで名バラード曲の歌メロのようです。

使用しているギターはストラトらしいですが、さすがはゲイリー。
並のレスポールを凌ぐほど低~中音域に深みがあります。


この曲のキモはバックのサウンドとの対比。

バックはフェアライトによる打ち込みなので、ある意味「無機質」な音色なのですが、本作の場合ゲイリーのギターは強すぎるぐらい濃い情感を帯びているので、バックはこれぐらいフラットの方がバランスがとれているのではないでしょうか。

月並な言い方ですが静と動のコントラストが魅力的な曲だと思います。


テクニック的にも難易度が高く、大量の小技が散りばめられていて、ギターキッズ泣かせの構造。

実は、もともとはコージー・パウエルのソロアルバム「OVER TOP」に収録されていた曲で、ゲイリーの完全オリジナル曲ではありません。

しかし元は他アーティストの曲を、フィーリング込みでこのレベルまで自分のものにするのは、ギターヒーローの威厳を見せつけてくれます。


コージー曲にゲイリー色を極限まで注ぎ込むで実現した、インスト界の宝物のような曲ではないでしょうか。

2人のロック界の偉人が揃って初めて成り立った曲ですよね。


慟哭のような魂のこもったギターサウンドを聴いてみてください。



それでは。