ソナタ・アークティカ『Weballergy』
今日はSonata Arctica『Weballergy』 について。
アルバム「Silence」収録。
人気の面では、彼らの代表曲「San Sebastian」と並ぶ曲。
美旋律ながら、聴き手を荒波にさらうような抑揚のある展開が持ち味です。
「組曲形式」というか、何度も転調を繰り返し前進していく様はまるでギターのオーケストラ。
ただでさえテンポが速い上に幾度となく調が移行する為、ファンの間でもギターをコピーする際に「戸惑った」との声が。
美しさだけじゃなくヤニ・リーマタイネン(Gt) のプレイヤーとしてのスキルも実感できる曲ではないでしょうか。
ミッコ・ハルキン(Key) のキーボードソロで聴き手の気分を高揚させた後に、ヤニのギターソロでとどめを刺しにくる流れは圧巻です。
また、全編に漂う爽やかさも本作の特徴。
トニー・カッコ(Vo) のボーカルが間の少ない「歌いっぱなし」ボーカルなのは、前述の「San Sebastian」にも通じる所がありますが、全体的にポジティブなメロディが流れているのは、ソナタの楽曲としては貴重。
まぁ北欧メタルはどれも爽快な要素は強いのですが、ここまで高濃度のパターンは珍しいのではないでしょうか。
哀愁ほとんど抜きでここまで感動的なHR/HMはある意味天然記念物。
その分、サビでのトニーのハイトーンでの瞬間的な「泣き」が強調されるのが理由の一つなのかもしれませんね。
ひんやりした旋律と火砕流のような音数のメタルを聴いてみてください。
それでは。