音の日

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GAO『サヨナラ』

今日はGAO『サヨナラ』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライターGAOが1992年にリリースしたポップバラードです。


高嶋政宏鈴木京香国生さゆりが出演した事でも知られるドラマ「素敵にダマして!」の主題歌としても有名。


とにかく彼女自身の、中性的な歌声が映えるバラード曲。

日本の音楽業界における「ユニセックス系」のはしりと言えるかもしれません。

使用されている音域も、おそらく意図的だと思うのですが、ちょうど男性曲とも女性曲ともとれるキーの為、ますます「性別」を感じさせない声になっています。

非常に演奏や歌声に厳しい事で知られるXjapanのリーダーYOSHIKIも、自身のバンドのボーカルTOSHIの声は滅多に褒めないにも関わらず、彼女の声は「良い」と誉めたそう。

個性とスキルを兼ね備えた稀有なボーカリストではないでしょうか。


楽曲自体も、彼女自身の声のインパクトに埋もれがちですがかなり魅力的。

特に音色が目立っていて、当時流行していたサイケデリック・ミュージックの要素を踏まえながら、すっきりとした爽快感が漂っています。

ビートはあまり起伏がなく特別に盛り上がるところも下がるところもないのですが、その方がこの曲の

「何も失くさないと信じていた あの頃に~遠くへ~~もっと遠くへ~~もっと遠くへ~帰りたい」


の歌詞のような、純粋な郷愁の念が引きたつ効果が。

それが作曲者の階一喜の狙いだったのか、あるいは単に「ボーカルが特殊だから、バックは余計なことを、しない方が良い」と判断したからかもしれませんが、その雑味の無い清廉さがこの曲の持ち味だと思います。


ちなみに柴咲コウが、カバーアルバム「続こううたう」において本作をカバーしています。

とても情感的なバージョンになっているので、興味のある人は聴いてみてください。



それでは。