音の日

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クリスタルキング『大都会』

今日はクリスタルキング『大都会』について。


この曲は日本のロックバンド、クリスタルキングが1979年にリリースしたポップバラードです。

第10回世界歌謡祭でグランプリを授与された曲としても知られています。


70年代の日本ポップスの代表曲の1つ。

聴きどころは、とにかく田中 昌之(Vo.高音)、ムッシュ吉崎(Vo.低音)のツインボーカル

「3オクターブの美声」と呼ばれ、技術自体も声量、ピッチ共に日本のメジャーシーン最高レベルの実力を持つ田中と、
低音域担当でありながら、その田中のほぼ変わらない声域を持ち、幅広い楽曲に対応できる万能性を持つ吉崎による、奇跡のタッグが可能にした荘厳なハーモニー。

バックの演奏はギター、ベース、ドラム、ピアノ、
どれも美しくも素朴で、不必要な音は可能な限り省いてあくまでもボーカルで聴かせよう、という目的がある事が伝わってきます。

実はこの曲の製作前年、クリスタルキングは「ポプコン大会」に出場しましたが、惜しくもグランプリを逃してしまったんですよね。(ちなみに当時のグランプリは、円広志の「夢想花」)

彼らはその後敗因を分析し、出た結論は
「サビにインパクトが足りなかった。次は田中の高音を活かしたサビを持つ曲を作れば、審査員がびっくりして○をつけるだろう。」。

そうして生み出されたこの『大都会』は、狙い通り
次の年でグランプリを授章。

さらには週間オリコンチャートで6週連続で首位を獲得、という快挙を成し遂げました。

一般的にポップスは「いかにサビの歌メロで魅せるか」というテーマを持つ事が原則としてあると思うのですが、その最たる例の1つがおそらくこの『大都会』。

ある意味王道を突き詰めていった成功例と言える曲なのかもしれませんね。

歌詞の内容も「都会に出たばかりの若者が、都会特有の冷たさの中で前を向き続ける」というものですが、前述のエピソードを知った上で読むと、重みを増す気がします。

「朝やけ静かに空を染めて」
「輝く陽をうけ 生きてゆくのさ」

「夜明け」の事を「朝やけが空を染める」と表す、綺麗な言葉選びのセンスも個人的に好き。

ちなみに

広瀬香美が アルバム『Thousands of Covers Disc1』において

Acid Black Cherryが アルバム『Recreation 2』において(BREAKERZのDAIGOがゲストボーカルとして参加)においてカバーしています。


いずれも現代的な魅力を持ったアレンジになっているので、興味がある人は是非聴いてみてください。



それでは。