音の日

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トリヴィアム『Anthem (We Are The Fire)』

今日はTrivium『Anthem (We Are The Fire) 』について。


アルバム「The Crusade」収録。

この曲は、アメリカのHR/HMバンドTriviumが2006年に発表したメタルコアです。


リズムは「超」がつくほどストレート。けれど決して単純ではない曲。

まず一曲の中にギターソロパートが3度ある、という構成。

そのソロもメタルらしく激しいのですが、高い音域でギュンギュン弾きまくったかと思えば、直後に中音域で感傷的なフレーズを弾く、という、凶暴なメロディの中にも鮮やかなドラマ性を持っています。

コリー・ビューリー(Gt)の奏でる凶暴ながらエモーショナルなサウンドが、メロディに込められた感情量を増幅しています。


パオロ・グレゴリート(Ba)のベースの旋律も、この手の曲のものとしてはかなりアクティブ。

もちろん曲との綺麗なグルーブを保っているのですが、その中でもさりげなくオシャレなフレーズが。

「バンドにおいてベースは“基盤”であっても脇役ではない」という事を実感させてくれるセンスです。


ラヴィス・スミス(Ds)のドラムのビート、マシュー・キイチ・ヒーフィー(Vo、Ba)のリフはかなりシンプル+スピーディで、スラッシュ成分が多め。

ロディアスな要素が強いバンドなので忘れがちですが、トリヴィアムはあくまでコア、スラッシュメタルバンドなのだ、という事を再認識。

またその事が、前述のソロ、ベースのメロディックさを引き立てる効果を生み出しています。

攻撃的な中にも、鋭い知性を感じさせるトリヴィアムの楽曲構成力がキラリと光る構造ではないでしょうか。

モトリー・クルーのノリとマノウォーのヘヴィさが5:5で、しかも無理なく混在したような「調和」を感じさせるメタルです。


正統派な威厳と、トリヴィアム的な整然さが解け合った曲を聴いてみてください。



それでは。