音の日

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Dir en Grey『DIFFERENT SENSE』

今日はDir en Grey『DIFFERENT SENSE』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドDir en Greyが2011年にリリースしたオルタナティヴ・メタルです。


「誰もが平等の空さえ鎖した」
「光と共に」

ファンの一部の間では「原発批判の歌詞ではないか?」と囁かれている曲。(原発の爆発が「空さえ鎖した光」。)

実際にこの曲のPVをの中では、日本列島の太平洋側から不気味な触手がウネウネと蠢く映像が。

いずれにせよ作詞者の京は明言していない事ですが、鋭利な社会批判は彼の詞のコンセプトの1つ。

聴き手の胸にも鋭く突き刺さるメッセージだと思います。


曲展開はハードコア的なA~Bメロから一気に流麗なサビメロ、というDir en Greyの楽曲の伝統的な流れを組んでますが、今回、その魅力を更に引き立てているのが音質。

くっきりとはしているのですが、あまり大袈裟には歪んではいない、王道HR/HM的なかっこよさがあり、完成度も高い音色。

というのもミックスにチュー・マッドセン、マスタリングにチュー・マッドセンという名手を起用しているんですよね。

海外から優秀な技術者を招いた、という意味では「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」の時のイェンスやテッドもそうですが、彼らが荒々しいコアなサウンドを作ったのに対して、本作の音色はヘヴィながらもよく通る、オーソドックスなサウンドに仕上がっていると思います。

オーソドックスと言うとDir en Greyの音楽性とは真逆に近いと思われるかもしれませんが、彼らの曲は元々が「濃い味」。

味が濃い食材に調味料をかけるなら薄味が基本ですよね。

彼らの独創的な音楽にはこういう音色の方がある意味バランスはとれている、という見方もできます。

Dir en Greyの楽曲には珍しい「均整」を感じさせてくれる楽曲です。


どろりとした美しさを持つ曲を聴いてみてください。



それでは。