スレイヤー『Raining Blood』
今日はSlayer『Raining Blood 』について。
アルバム「Reign in Blood」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドSlayerが1986年に発表したスラッシュメタルです。
非常にクオリティの高い曲。
ヘヴィで、スピーディで、テクニカルで、どこかメロディアスで…一般的にスラッシュメタルに欲しいと言われる要素が全て詰め込まれています。
ファンの間でも極めて人気の高い曲で、人気、音楽的方向性が似ている事から「ANGEL OF DEATHとの双子曲」と呼ばれる事も。
どの面をとっても聴き応えのあるメタルですが、特に素晴らしいと思うのが、その構成。
リズムチェンジの嵐です。
特にデイヴ・ロンバード (Ds)のプレイは凄まじく、速くなったり遅くなったり、途中で何度も変わるリズムパターンでリスナーを魅了します。
またテンポチェンジする度に曲調も変わり、その度に聴き手を異空間に連れ去ってくれます。
ツーバスは聴き手を置き去りにするほどのスピード。
リフのメロディも「殺人リフ」と呼ばれる事もあるほど凶悪で、タイトルの「雨のように降る血」を体現したようなもの。
旋律、サウンド共に「どうすればこんな禍禍しいものが作れるんだろう」というほどおどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。
後半の加速パートでのソロの速さも、もはや何がなんだか、です。笑
確かに全体的に凶暴な曲風ですか、どこかに高級感のような佇まいも感じます。
それは「スラッシュ・クラシック」と称されるほど、この曲が緻密で、スケールが大きく、それでいて情緒的だから。
スラッシュメタルという世間では激しいだけの音楽と誤解されがちですが、この曲はそういう偏見をひと息に吹き飛ばすような、独特な気品があると思います。
凶暴であっても乱暴では無い、というのがこの曲の魅力なのかもしれませんね。
本来畑違いの、デス、ブラックメタル界にも多大な影響を与えたメタルを聴いてみてください。
それでは。