音の日

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Sadie『陽炎』

今日はSadie『陽炎』を聴いた感想を。


アルバム「MASTER OF ROMANCE」収録。

この曲は、日本のロックバンドSadieが2009年に発表したメタル・コアです。


攻撃的ながらメロディアスな曲。

世代的にはいわゆる「ネオ・ヴィジュアル系」に属するバンドだと思いますが、本作にはLuna SeaDir en Greyなどの創成期のヴィジュアル系の要素が色濃く表れています。
(実際メンバーも前述の2バンドへのリスペクトを公言しています。)

「今これ以上 このまま離れたなら」
「壊れそうな予感に怯えるだろう」

愛する人との離別への怖さをテーマにした切ない歌詞ですが、曲風はそれと相反するようにアグレッシブ。

剣(Gt)と美月(Gt)によるツインギターでのリフがゴリゴリのヘヴィサウンド。

真緒(Vo)のボーカルも、サビでは突き上げるような歌声で、疾走感のある曲調に似合っています。

激しい曲ながらどことなく「懐かしさ」が漂うのは、スピーディながら覚えやすいメロディが、90年代の正統派ヴィジュアル系バンドの風を連想させるからでしょうか。


特にこの曲で好きなのは、景(Ds)の怒濤のドラミング。

速いフィルもさることながら、イントロのツーバス連打がかっこいいです。

ネオ・ヴィジュアル系バンドのドラマーは、様式美的にバスドラムを2つセッティングしながらも特に連打はしない、というパターンも多いのですが、彼はバリバリ使用します。

実際、練習のし過ぎで何本もスティックを折ったり、インタビューで「世界最後の日、何をして過ごしますか?」という質問に「延々とドラムを叩く」と答えたりと、かなり練習好きなプレイヤー。

他メンバーからも「メンバーの中でも、演奏技術が飛び抜けて高い」と評されるなど、Sadieきっての実力派なんですよね。

もちろんその切れ味鋭い演奏に合わせる亜季(Ba)のプレイも一聴の価値あり。

冷静な性格が表れたような渋い演奏です。


ちなみにSadie自体はそのダークなファッションからクールな印象を抱かれがちですが、メンバー全員が関西出身という事もあるのか、実際は亜季以外ゴールデンボンバー並のハイテンションキャラ。

メンバーでコアなバラエティ番組に出演していた時期もあり、番組の企画でメンバー4人で「真緒にヤ○ザを絡ませる」ドッキリを仕掛け、パニックになる真緒を画面越しにみて、他メンバーが爆笑する、という微笑ましい場面も。
(亜季もこらえきれず、画面から顔を逸らして笑っています。笑)

後の真緒いわく、偽ヤ○ザに絡まれていた時の心境は「皆ごめん、俺もうSadieでけへんわ…」だったとの事。笑

激しいプレイと、ユニークなキャラクターのギャップも彼らの魅力の1つですよね。


ヴィジュアル系の王道ながらも彼らの色が表れた曲を聴いてみてください。



それでは。