音の日

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ロイヤル・ハント『Time』

今日はRoyal Hunt『Time』について。


アルバム「Moving Target」収録。

この曲は、デンマークプログレッシブメタルバンドRoyal Huntが1995年に発表したネオクラシカルメタルです。


とても荘厳なメタル。

激しくも優美で、それでいて聴き手を飽きさせない展開など、見事なクオリティを誇っています。

耳を奪われるのは、演奏陣の中ではアンドレ・アンダーソン(Key)のプレイ。

それはもちろん中間部分での美麗ソロの事でもありますが、そもそもリフがキーボード主体、という楽曲自体HR/HMの中でも珍しいのではないでしょうか。

ヴァン・ヘイレンのキーボードリフはキャッチーさ、温かみを漂わせますが、アンドレの演奏から感じるのは華麗さと、高級感。

ラプソディやソナタ・アークティカほど派手なプレイではありませんが、あえて強く自己主張しない事でギター、ベースの音と調和を保っているイメージでしょうか。


キーボードとは違う意味で映えているのがDCクーパー(Vo)の歌声。

高音域の歌声もさることながら、特徴的なのはそのトーンの美しさ。

中音域から高音域への移行がとてもスムーズ。

特に高音部分での艶やかさは、個人的にはアンドレマトス(アングラ)に匹敵するほど。

最高音でのファルセットの声色は幻想的ですらあります。

美声の女性コーラス、マリアとリーゼと共に入るアカペラパートは絶品。

メタルボーカルらしく基本的には声量のあるボーカルなのですが、この太い声で悲痛さ、儚さを演出できるなど、高い感情表現力も見せつけてくれます。

基本的にメタル界では、ネオクラシカル、メロディックメタルのボーカルは上手い人とそうじゃない人の差が激しい、と言われがちですが、このDCクーパーがメンバーである事がRoyal Huntの強み、と言えるほどのパワーのあるボーカルです。


メタル曲としては短い演奏時間なのに、それを感じさせない濃密さを持つ曲を聴いてみてください。



それでは。