ドッケン『Tooth and Nail』
今日はDokken『Tooth and Nail』について。
アルバム「Tooth and Nail」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドDokkenが1984年に発表したヘヴィメタルです。
押し切るようなビートの曲。
普段は比較的小回りの効いた展開の曲を演奏する彼らとしては、珍しいタイプの楽曲ではないでしょうか。
とは言えその「勢い」は並大抵のものではありません。
分厚い音色と音圧で、聴き手をグイグイと引っ張ってくれます。
ストレートなリズムもここまでいくと個性ですよね。
サウンドはHR/HMそのものですが、ドン・ドッケン(Vo)の声色はベルカントでのナチュラルな声。
シャウト成分がHR/HM曲としては薄めで、聴き心地の良いものになっています。
ジャンルの壁を越えて愛されるタイプの歌声です。
この曲の肝は、やはりジョージ・リンチ(Gt)のギターソロ。
速弾き、ジャック・オフ・ヴィブラート、そして高速タッピング。
彼の持つあらゆるテクニックが詰め込まれています。
しかもただテクニカルなだけではなく速弾きパートが一段落すると、メロディアスな叙情パートに様変わり。
理性的な技巧で魅せた直後に、情緒的な旋律で響かせる。
右脳と左脳両方に訴えかけてくるようなソロだと思います。
もちろんソロパートだけではなく、リフも疾走感が溢れたかっこ良いもの。
この硬派なリフと、前述のドッケンのソフトな歌声のコントラストもこの曲の味の1つです。
スリリングでありながら、泣きのメロディも流れているメタルを聴いてみてください。
それでは。