フェア・ウォーニング『Burning Heart』
今日はFair Warning『Burning Heart 』について。
アルバム「Rainmaker」収録。
この曲は、ドイツのHR/HMバンドFair Warningが1995年に発表したハードロックです。
とても繊細なロック。
ジャンルの上ではハードロックだと思いますが、一般的な感覚ではおそらくHR/HMとロックバラードの丁度「間」くらいに感じると思います。
日本でいうB'zのロック曲のようなイメージでしょうか。
楽曲の特徴としては、やはり何と言ってもその細やかなメロディ。
元々Fair Warning自体、音楽専門サイトから「メロディが、日本人好みのマイナー調」と評されるほど叙情的な楽曲を作ることで知られているバンド。
中でも、この曲はその最たる例と言えるのではないでしょうか。
トミー・ハート(Vo)のクリアなハイトーンボーカルが美しい。
声質が良いけど歌唱力の低い歌手、歌唱力はあるけど声質が残念な歌手、そんな歌い手はごまんといますが、ここまで技術と声の艶やかさを併せ持ったボーカルは貴重だと思います。
サビでの高音域でのハモりパートは絶品。
個人的にこの曲のメインは、やはりアンディ・マレツェク(Gt)のギターソロ。
このソロによって、この曲の価値を最大限に高められているのではないでしょうか。
決して静かではない、なんなら派手なぐらいのプレイ。
なのに聴き終えた後に残るのは、どことなく寂しげな雰囲気なんですよね。
ロック調の演奏で、これだけしっとりとした情感を込める事ができるのは珍しい才能だと思います。
アンディというと、世間でヘルゲ・エンゲルケのスカイギターばかりが取り沙汰されている事に対して、インタビューで「フェアじゃない」、という趣旨の発言をするなど、やや僻みっぽいような一面がある事でも知られています。
(一部では、「それが後の脱退の理由。」との声も)
けれどアンディの才能は、ヘルゲのそれほど「わかりやすい」ものではないというだけで、ギタリストのしてのセンスは決してヘルゲにも引けをとらないんでよね。
現在は別バンドで活動中なので、しばらくはこのメンバーでの演奏は聴けそうにありませんが、いつかこの泣きのギターを再びFair Warningでプレイしてくれる日が来ると良いなぁ、と思います。
普通ツインギターのロックバンドというと、片方が優秀でも、もう片方は平凡、という向きが多いと思いますが、1つのバンドに2人も天才的なギタリストを擁していたわけですから、思えば良い意味で贅沢なバンドです。
パワフルながらも感情移入しやすい曲を聴いてみてください。
それでは。