ブラインド・ガーディアン『Lord of the Rings』
今日はBlind Guardian「Lord of the Rings」について。
アルバム「Tales from the Twilight World」収録。
この曲は、ドイツのパワーメタルバンドBlind Guardianが1990年に発表したネオクラシカルメタルです。
元「HELLOWEEN」~「GAMMA RAY」のメンバーであるカイ・ハンセンが、ゲスト・ヴォーカルとして参加した事でと話題になりました。
作詞はハンズィ・キアシュ(Vo、Ba)ですが、作曲はハンズィとマーカス・ズィーペン(Gt)による共作。
イントロの激速カッティングの時点でインパクトは充分。
一般的に楽曲においてイントロは、その曲が「どういう曲か」の第一印象を決める効果があると思いますが、このイントロの時点で、聴き手はこの曲に込められた膨大なエネルギー量を連想する事ができると思います。
ギターは特に、二度目の間奏でのツインギターが壮絶。
2本のギターが同じ音階でハモるのではなく、互いに違うメロディで、しかも無理なくナチュラルに絡み合っていく様は至上です。
メロディの良さもさることながら、バッキング、リード共に音数がブラインド・ガーディアン史上最高クラス。
ただでさえテンポが速い曲なのに、その中に音を詰めまくっているので、聴き手の体感的な迫力はピークに達します。
メロディ、音の厚さともに凄まじいギタープレイです。
ポイントはやはり、ハンズィ・キアシュとカイ・ハンセンによるツインボーカル。
異なる味、世界観を持つ2人の歌声が、まるで2つの異なる楽器で、同時に同じ主旋律を奏でているようです。
どちらも技術というよりは独特な発声法、声色が売りのタイプのいわゆる「個性派」なボーカルですが、その声で「王道」路線の歌メロを歌われると逆に刺さります。
展開的にもプログレの要素を多分に含んだものの為、緩急が多く、メロディに込められた感情表現を、良い意味で計算して伝えてくれますし、一見ごうかいなようで、非常に緻密なメタルではないでしょうか。
インパクトと冷静さを兼ね備えたHR/HMを聴いてみてください。
それでは。