音の日

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アン・ルイス『六本木心中』

今日はアン・ルイス『六本木心中』について。


この曲は、日本の女性歌手アン・ルイスが、1984年にリリースしたポップロックです。


いわゆる「歌謡ロック」の走りと呼ばれる曲。

同時期に世を席巻していた「六本木CRY」(シブがき隊)、「六本木純情派」(荻野目洋子) などと並ぶ、“六本木ソング”の代表格です。


今でこそ昭和の名曲として名を馳せた曲ですが、リリースが1984年10月に対して 、オリコン最高位の12位を獲得したのは1985年9月。

売り上げのピークまで達するまで約1年もかかっているんですよね。

当時のように可愛らしいアイドル歌謡が全盛だった時代に、アン・ルイスのようなちょいワルな「かっこいい系」女性シンガーはまだまだ少なかったです。

世間に理解されるまで時間がかかってしまったのかもしれません。

歌詞の内容も

「遊び相手となら お手玉も出来るけど」
「いつか 本気になるのが怖い」

と、年下の男に惚れたすれた遊び人の女性がだんだん真剣になって思い詰めていく、という「謙虚」が美徳とされていた昭和の女性像とは正反対をいくような内容ですから、無理も無かったのでしょうか。


ただアン・ルイスその「ちょいワル」な表現が、必ずしもキャラづくりか、と言うとそうでも無く、当時既婚だったにも関わらず、夜の街で後輩の吉川晃司と遊び歩いていた、というエピソードもあるんですよね。笑

噂では作詞者の湯川れい子が、吉川晃司を連れ歩くアン・ルイスのその姿をみて閃いたのがこの歌詞、という裏話も。

詞の内容はある意味リアルだったのかもしれません。笑

さながらドキュメンタリー歌詞とでも言うのでしょうか。


曲の方は「DON'T YOU GO」というNOBODYの原曲を、アレンジ担当の伊藤銀次によって編曲したもの。

ちなみに何の因果かNOBODYは、吉川晃司にも「モニカ」を提供しています。笑

構成的には激しいロックのビートに、当時の流行していたテクノの要素を取り入れた、硬派さと計算を兼ね備えたような内容です。

イントロの伝統的な洋楽ハードロックのような、バロック調の旋律。

掴みの時点でかっこいいです。

全体的に演奏がタイトなのとサウンド、特にギターの音色が選び抜かれたもののように曲と合っていて、非常に洗練されている印象。

アン・ルイス自身の歌声も女性歌手としては太くエネルギッシュ。

当時20代とは思えない熟練感を感じさせてくれます。


力強いリズム、時代の最先端をいく曲調、そしてクールな女性ボーカルの歌声。

歌謡ロックとしてレベッカのフレンズと対をなす曲だと思います。

多くのアーティストからリスペクトされカバーされている曲でもあり、個人的には

桑田佳祐がライブビデオ「昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦」で、

JUJUが、アルバム「スナックJUJU 〜夜のRequest〜」でカバーしたバージョンが好きです。

興味がある人は是非聴いてみてください。



それでは。