宇多田ヒカル『Flavor Of Life』
今日は宇多田ヒカル『Flavor Of Life』を聴いた感想を。
この曲は、日本のシンガー・ソングライター宇多田ヒカルが2007年にリリースしたポップバラードです。
B面に収録された「Flavor Of Life -Ballad Version-」は、井上真央、松本潤(嵐)、小栗旬、松田翔太が出演したことでも知られるドラマ「花より男子2(リターンズ)」の挿入歌としても有名。
また、サザンオールスターズの桑田佳祐は「21世紀ベストソング20」の4位にこの曲を挙げています。
宇多田ヒカルのツイッター上のコメントによれば、リリース前の段階での仮タイトルは、何故か「安くておいしいミカン」。笑
一見ストレートなポップスのようで、かなり複雑な曲です。
メロディ自体はキャッチーですが、いつもの低音域の歌唱から、宇多田ヒカル本人いわく「久しぶりに入れてみた」高音域の歌唱まで、幅広い声域でもって歌い上げられています。
あまりに自然に歌いこなしているので見逃しがちですが、リズム感もどうやってブレス(息継ぎ)してるんだろう、というほど絶妙。
声色自体の良さもさることながら、彼女自身のスキルが堪能できる曲だと思います。
詞は日常的な情感があるもの。
「「愛してるよ」よりも「大好き」の方が 君らしいんじゃない?」
タイトルの『Flavor Of Life』は英和辞典でひくと複数の意味がありますが、この場合おそらくは「最愛の人の香り」。
好きな相手をよく観察していて理解しているからこそ、「照れ屋な面があるこの人は、「愛してる」なんて真剣な響きの言葉は使わない」と、相手を把握できているわけですね。
元々この曲自体、宇多田ヒカルが「花より男子」のファンだからこそタイアップを引き受け、内容もドラマに合わせたものにしたらしいですが、確かに俺様キャラの道明寺司(松本潤)も牧野つくし(井上真央)に「愛してるよ」なんて言わないですよね。笑
好きだからこそ理解できる「相手らしさ」を、形は無いけど確かに存在する「香り」と形容したのは、とても巧みで、綺麗な比喩だと思います。
プライベートでもかなりの文学好きで知られる宇多田ヒカルらしいセンスではないでしょうか。
デジタルシングル売上で世界1位(英EMI)まで達成した曲を聴いてみてください。
それでは。