音の日

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アンジェラ・アキ『手紙~拝見 十五の君へ~』

今日はアンジェラ・アキ『手紙~拝見 十五の君へ~』について。


この曲は日本のシンガー・ソングライターアンジェラ・アキが2008年にリリースしたポップバラードです。

日本郵政グループのCMソングとしても知られています。

元々はアンジェラ・アキが、NHKの全国学校音楽コンクールの合唱課題曲として書き下ろした曲。

それを自身が歌う為に新たなアレンジを加えたものが本作とのこと。

楽曲自体はピアノ主体のバラード曲で、あまり大げさな音はなく、素朴な演奏です。

その分アンジェラ自身の滑らかな歌唱が際立ち、歌声の抑揚をはっきりと聴きとる事ができます。

中音域から高音域まで、とてもスムーズな発声。

上品でありながら、グンッと迫ってくる力強さがあるところが、彼女の歌声の持ち味ではないでしょうか。


歌詞は「自分自身が15歳の時に自分宛に書いた手紙が、30歳の誕生日に母親から届いたこと」をきっかけに作られたもの。

「十五の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです」

序盤では学生時代の目線で、ひとりで抱えている胸の内の苦しみを正直に綴られています。

そして後半に進むと

「いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど
笑顔を見せて 今を生きていこう」

「今を生きていこう」

と大人になった後の自分の目線で、在りし日の自分の悩みにアドバイスを送っています。

ここでのポイントは、思春期の自分が、何に悩んでいるのか具体的には描かれていないこと。

ただひたすらに「負けそう」という、折れかかった心で葛藤している様子が表現されています。

一見すると抽象的で、読み手がイメージしづらいかもしれない詞。

しかし抽象的だからこそ、読み手によって様々な受け取り方ができ、それぞれが自分の状況に照らし合わせた読み方ができる詞、という事が言えるのではないでしょうか。

世代も暮らす場所も問わず、沢山の人の心に届くメッセージソングだと思います。


ちなみにスコット・マーフィーが2010年にアルバム『Guilty Pleasures 4』にて、

May J.が、2014年にアルバム『Heartful Song Covers』にてカバーしているので、そちらもオススメです。



それでは。