音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

ハロウィン『I Want Out』

今日はHelloween『I Want Out』について。


アルバム「Keeper Of The Seven Keys Part 2(邦題.守護神伝 -第二章-)」収録。

この曲は、ドイツのパワーメタルバンドHelloweenが1988年に発表したメロディックパワーメタルです。


ストレートながら完成度が高い曲。

作詞・曲ともにカイ・ハンセン(Gt)ですが、彼の得意分野の曲調ではないでしょうか。

出だしからサビにかけて、どんどん盛り上がる構成になっていて、後半に進むにつれて聴き手の高揚感が増すように作られているイメージです。

Aメロのギターの2度目の刻みが凄くかっこいい。

ソロ部分もマイケル・シェンカーの「INTO THE ARENA」に影響されたとみられる、攻撃的ながらもメロディックなソロで、アグレッシブな華やかさを感じる事ができます。

マイケル・キスク(Vo)のボーカルプレイも大活躍。

「限界はあるのだろうか」と思うほど歌声が伸びています。

サビでは得意のぶ厚いハイトーンボイス。

彼のテクニック、生まれもった才能が存分に堪能できる曲です。

ポップ成分もかなり強い曲なので「パワーメタルに興味はあるけど、激しい曲には慣れてないんだよな」という人にオススメできます。


歌詞は「開放を求める心」を表現したもの。

「俺達は生まれた時から小さな型に押し込められる 誰も俺達の意見など聞いてくれない」

「外に出たい 自分の力で何でもやりたい」
「外に出て 自由に人生を送りたいんだ」

この曲の発表後して少し経った後、作曲者のカイ・ハンセンHelloweenを脱退してしまいます。

守護神伝完全版のライナーノーツにおいて、カイ本人がこの曲には、このバンドから脱退して好きな音楽をやりたい脱退したい、という思いが込められている事を語っています。

彼にしてみれば、「外に出るべき」と自分自身に言い聞かせる為にこの曲を作ったのかもしれません。

脱退は寂しい事ですが、ただしその後の活躍は言わずもがな。

新しいカイ・ハンセンの生誕祈念の音楽とも解釈できる曲ではないでしょうか。


ちなみにSONATA ARCTICAがEP『サクセサー』および、トリビュート・アルバム『キーパーズ・オブ・ジェリコ〜トリビュート・トゥ・ハロウィン〜』にて、

小野正利 - カヴァー・アルバム『The Voice -Stand Proud!-』にて、本作を違う魅力を持ったアレンジでカバーしているので、そちらも聴いてみてください。



それでは。