一青窈『ハナミズキ』
この曲は日本の女性歌手、一青窈が2004年にリリースしたポップバラードです。
新垣結衣 、生田斗真、向井理が出演したことでも知られる映画「ハナミズキ」の主題歌としても有名。
祈るような包容力がある曲。
しっとりとした謙虚な音色のストリングスとピアノが絡み合い、更にそれに一青窈の声のたおやかな歌声が折り重なり、聴き手の心の深部にじわりと染み渡っていきます。
派手さはありませんが、大和撫子のような上品さ優しさが漂います。
全体的な音数は少なくすっきりしてるのに、これだけ情緒豊かに聴かせてくれるメロディも凄いです。
世間からは、特に歌詞の評価が高い曲。
実は元々一青窈が、アメリカ同時多発テロ事件発生時、ニューヨークにいた友人から届いたメールをきっかけに、一週間ほどで書いたもの。
「君と好きな人が 百年続きますように」
この曲を聴いた人は、当然ですが9.11の被害を受けていない人。
その生きている人達に、まるで「せめて生き残った人は幸福な人生が待ってくれているように」と願うような詞ですよね。
ハナミズキの花言葉は「私の想いを受けとってください」だそうですが、「こんな事件が起こったからこそ、人生の儚さ、未来があることの尊さを感じたい」と一青窈は言いたかったのかもしれません。
単なる戦争批判の詞では無く、「鎮魂歌」の要素がある曲でしょうか。
THE BOOMの『島唄』が好きな人には特に響きそうな気がします。
どうしようも無い出来事に対する苦しみ、葛藤を、純粋で強い願いに変えてくれる歌声を聴いてみてください。
それでは。