KAN『愛は勝つ』
今日はKAN『愛は勝つ』について。
この曲は、日本のシンガー・ソングライターKANが1990年にリリースしたポップバラードです。
2ミリオン達成曲。
山田邦子、所ジョージ、関根勤が出演していたことでも知られる番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の挿入歌としても有名な曲です。
日本一有名な応援歌ポップス。
終始変わらないリズムパターン、4分のピアノ、コーラスなどの組み合わせは、KAN自身が敬愛するアーティスト、ビリー・ジョエルの楽曲「アップタウン・ガール」に感化されたもの。
大事なところで転調を織り混ぜる展開がおいしいです。
大ヒット曲ですが、チャート初登場は意外にも99位。
そこから10週間以上かけて1位に駆け上がりました。
邦楽ポップの歴史の中でも、珍しいタイプの売れ方だと思います。
「どんなに困難でくじけそうでも 信じることさ必ず最後に愛は勝つ」の歌詞に似合うのではないでしょうか。
一見するととてもポジティブな歌。
ですが、元々はプライベートで友人から恋愛相談を受けたKANが、「お前そりゃどう転んでもうまくいかないだろう」と思いながらも、「せめて歌の中ではうまくいけばいいな」と作曲した曲とのこと。笑
ちなみにそれを暗示してか、B面のタイトルは「それでもふられてしまう男」。
前向きな歌の代表格、という世間のイメージとは逆に近いエビソードではないでしょうか。
よく詞を読むと、
「求めてうばわれて」
「与えてうらぎられ愛は育つもの」
と、けっこう厳しいことも言ってるんですよね。
ですがただ「愛は良いもの」「愛は尊いもの」と手放しで愛の素晴しさを羅列した詞よりも、かえって
聴き手を鼓舞してくれるのではないでしょうか。
酸いも甘いも噛み分けた「大人の応援」をしてくれた気になれるというか。
実は大ヒットの要因の1つなのかもしれませんね。
ドライなようでとても熱いアンセムを聴いてみてください。
それでは。