音の日

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THE BOOM『島唄(オリジナル・ヴァージョン)』

今日はTHE BOOM島唄(オリジナル・ヴァージョン)』について。


この曲は日本のロックバンドTHE BOOMが1993年にリリースしたロックバラードです。

非常に「平和」的な曲。

ロックバンドでありながら三味線を使用した表現は、当時の日本には珍しく話題になりました。

音階にも沖縄民謡のそれが使用され、聴いていると優しく吹く風に包まれていくような感覚を覚えます。

癒しの音楽と言えるのではないでしょうか。


一見するとほのぼのとした世界観。

しかし実際には、作詞・作曲者の宮沢和史(Vo、Gt)が「ひめゆり平和記念資料館」を訪れた際に受けた衝撃を元に作られた、沖縄戦とその犠牲者への思いを歌った、いわゆる「鎮魂歌」。


宮沢自身はインタビューで

「20万人近い人が亡くなり、そのうち9万人は一般人で、集団自決などもあったという。こんな希に見る悲劇が身近にあったことを、恥ずかしながら僕は知らなかった。」

「だけど、僕みたいに知らない人がいっぱいいるんじゃないかと。伝えていかないといけないと思ったし、鎮魂の意味も込めて、そういう話を聞かせてくれた戦争で生き残った人たちに聞かせる歌を作りたかった」

と語っています。

詞も

「ウージの森で あなたと出会い」
(サトウキビ畑で 、愛するあなたと出会った)

「ウージの下で 千代にさよなら」
(サトウキビ畑の下の洞窟で、愛するあなたと永遠の別れとなった。)

と、当時の沖縄の状況ををリアルに描いたもの。

実はとても痛切な曲です。


しかしその戦争の悲しみを描いた歌詞は、夏川りみ、ダイタナ・キングを含む国内外を問わず多くのアーティストに親しまれ、リリース後の20年間で100組近いアーティストにカバーされました。

また、アルゼンチンでアルフレッド・カセーロが日本語のままカバーした「SHIMAUTA」が2001年に地元で大ヒット。

最終的にはサッカーの2002年日韓ワールドカップ・アルゼンチン代表チームの応援曲にまで起用されています。

平和を望む心、亡くなる人を悼む想いは万国共通、と言えるかもしれませんね。


ちなみに「シンフォニック・オーケストラver」を含む他のバージョンもあるので、そちらもとても美しくオススメです。




それでは。