徳永英明『壊れかけのRadio』
今日は徳永英明『壊れかけのRadio』について。
この曲は、日本のシンガー・ソングライター徳永英明が1990年にリリースしたポップバラードです。
高嶋政伸、黒木瞳、江口洋介が出演したことでも知られるドラマ「都会の森」の主題歌としても有名。
徳永英明の代名詞とも言える曲。
始まりでは声量を抑え気味。
しかし後半に進むに連れて、次第に叫び声に近い歌唱に変わっていきます。
低音部はハスキーな声で歌い、高音部はクリーントーンで清らかな声に変化。
一曲の中で様々な声色が楽しめる楽曲です。
歌詞はまるで、誰かに救いを求めるようなもの。
「遠ざかる溢れた夢 帰れない人波に」
「本当の幸せ教えてよ 壊れかけのRadio」
実はこの曲の制作当時、徳永英明は強い葛藤の中にいたそう。
元々事務所との人間関係に悩んでいた徳永は、個人事務所「マゼラン」を設立し、独立。
しかしその後、その責任をたった1人で背負い込み、次第に歌うことすら辛くなってしまったとのこと。
その時のあらゆる迷い、不安の中で生まれたのが『壊れかけのRadio』だったそうです。
この詞を書いた時の彼は、色々な問題を抱えて疲疲労困憊で、道を見失っていたのではないでしょうか。
「思春期に少年から大人に変わる」時のようにラジオに助けてほしい、と思っていたのかもしれません。
「壊れかけのRadio」とは彼自身の、壊れかけた心の比喩のようです。
しかしその葛藤をモロに詰め込んだ本作はしとやかなメロディ、透き通るような歌声、ドラマのタイアップ効果もあってロングヒット。
間違いなく彼の代表曲と言える域にまで達しました。
沢山のリスナーが人生に迷った時に、この曲に込められた懐かしさに癒されたのかもしれませんね。
ちなみに多くのプロミュージシャンからもリスペクトされている楽曲でもあります。
河村隆一のアルバム『evergreen anniversary edition』
麗奈のアルバム『On/Off seven colors』
松下優也のシングル『Naturally』
にカバーが
収録されていますので、そちらもオススメです。
それでは。