Dir en Grey『GLASS SKIN』
今日はDir en Grey『GLASS SKIN』を聴いた感想を。
この曲は、日本のロックバンドDir en Greyが2008年にリリースしたロックバラードです。
落ち着いたピアノの前奏から始まる曲。
Aメロからバンド演奏が始まりますが、その際のShinya(dr)のプレイが見事です。
ミドルテンポなぶん、手の動かし方が細やかで、ドラムで歌っているような感じがします。
一音一音も、音が綺麗に抜けていて気持ちいい音色。
ファンの間では、普段から陰で黙々と練習するタイプのドラマーとして知られている彼ですが、その努力の成果が如実にあらわれているプレイではないでしょうか。
歌詞のテーマは、作詞者の京いわく「環境破壊」。
「ブレ始めた視界 ガラスの空、風の色」
「独り流れているメリーゴーランド 手を振る」
「君を見下ろせる一つの観覧車 ただ崩れ行く旋律さえ 甘く綺麗で怖い」
相変わらす比喩の濃い、難しい詞。
「環境破壊」がテーマですので、仮に、流れるメリーゴーランドが自転する「地球」。それを見下ろしている円形の観覧車は「太陽」、だとすれば、ガラスの空とは地球を囲む「オゾン層」でしょうか。(個人的解釈)。
はじめは「自然のことをテーマにするって、京にしては珍しいな」と思いました。
しかし考えてみるとディルの詞は、初期の頃から一貫して「人間のエゴ、またはそれによって生まれる痛み」をテーマにしてきたわけで、そうなるとむしろ今までの彼ららしい詞と言えるかもしれません。
楽曲の特徴としては、珍しく京のシャウト、デスVoがありません。
終始、叙情的なメロディを主体にしている印象です。
たまに「前からDir en Greyに興味あったんだけど、シャウトが好みじゃないんだよなぁ」と言う人もいますが、そういう人はこの曲からディルに入るのがオススメです。
おそらくこの曲で、一般の人達からのディルへの偏見が幾分か薄くなっているのではないでしょうか。
それほど美しいメロディです。
それにしてもラストの京の、hiF#の歌声は驚異的。
日本のメジャーの男性Voの歌声で、このキーは滅多にお目にかかれません。
ただ高いのでは無く、曲に合った声色、発声を使い分けているのが素晴らしいと思います。
王道ようで重さ、Dir en Greyらしさの詰まったバラードを是非聴いてみてください。
それでは。