高橋洋子『残酷な天使のテーゼ』
この曲は、日本の女性歌手高橋洋子が1995年にリリースしたポップロックです。
『テーゼ』はドイツ語で「命題」。
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OP曲としても有名です。
日本レコード協会からCD部門でダブル・プラチナ、着うたフル部門でトリプル・プラチナ、着うた部門でミリオン、2011年にはJASRAC賞で金賞を受賞するなど、ケタ外れのスケールを持つ曲。
アニメ界のみならず、全邦楽の中でも最高レベルの人気を誇る楽曲ではないでしょうか。
そうなると、普通は作詞・曲は相当緻密に練られているのか、とイメージすると思います。
しかし作詞者の及川眠子いわく、「制作時間たった2時間」で書かれた歌詞。
30分「適当」に打ち合わせをし、「企画書を斜め読み」し、エヴァ2話分のビデオを「早送り」で見た上で「ええい 好きなこと書いちゃえ~」と綴った作品とのこと。笑
本人はツイッターで「みんなの夢を壊してごめんね」でコメントしています。(ファンからは「名曲は時間かければ生まれる訳ではないのですね」と好意的な返信が)
若い頃に12回もの転職を繰り返したこともあるエキセントリックな彼女ですが、どうやら作品の作り方もフリーダムのようです。笑
けれど、きっかけは適当だったとしても作品まで適当なのか、というとそうではありません。
「あなただけが 夢の使者に呼ばれる朝がくる」
「世界中の時を止めて 閉じこめたいけど」
歌唱担当の高橋洋子は、
「私は、この曲のその根底にあるのは、母心、母の祈りのようなものだと思うんですよね。」
「(主人公の碇シンジが)道が逸れそうになったら、そっちじゃないよ、と言ってあげたい。そんな想いで歌いました。」
と語り、現在では
「シンジを見守る母のような視点で歌っている」
とのこと。
共同の歌い手に、及川の真意はしっかりと伝わっているようです。
幼い頃から合唱を学び、その後はオペラ歌手を目指して訓練していた高橋洋子の歌声は、この曲の魅力を最大限に引き出していると思います。
また、その後もGLAY、中森明菜、八代亜紀からもカバーされるなど同じプロミュージシャンからも愛されている模様。
一般からも業界人からも支持されるのは、偉大な楽曲の条件ですよね。
もう数十年経っても、多くの人々の心をとらえている歌ではないでしょうか。
大きな影響力と大きな母性愛を持つ曲を是非聴いてみてください。
それでは。