ドリーム・シアター『Forsaken』
今日はDream Theater『Forsaken』について。
アルバム「systematic Chaos」収録。
この曲は、アメリカのプログレッシブメタルバンドDream Theaterが2007年に発表したメタルバラードです。
基盤は彼らの畑であるプログレッシブメタルでありながら、ひんやりとしたゴシックの成分も含まれています。
イントロのKeyにはまるで、ハリウッドのホラー映画のBGMのような綺麗な不気味さがあります。
僕はイントロの時点でこの曲を好きになりました。笑
そこからラブリエ(Vo)のウィスパーVoが始まり、ズシッとしたバッキングが入りますが、プログレの要素は彼らの曲の中では薄味な方です。
初めて聴いた時、「Dream Theaterってこういう曲もやるんだ」と、個人的に好感度がグンッと上がった覚えがあります。
あまりに濃いプログレの曲だけを演奏するバンドは、どうしてもリスナーから「自分達の音楽知識をひけらかしたがるバンド」のレッテルを貼られがち。
しかし、意向に合えばこうしてシンプル曲も演奏するのは、彼らの音楽に対する姿勢が真摯なものだという証ではないでしょうか。
決め所はサビ。
メロディが非常に覚えやすくそれでいて叙情的です。
一曲の中で何度も繰り返される為、ただ聴いているだけで自然に頭に入ってきます。
キャッチーな哀メロは日本人と相性が良さそうです。
ちなみにPVはアニメですが、実は、日本のアニメ・スタジオで制作されたものとのこと。
テーマは「吸血鬼の悲哀」。
歌詞にも
「突き刺すようなくちづけ」
「その時僕は見た 彼女の唇が朱色に染まるのを」
と男と吸血鬼の女の物語を思わせるような描写がありますから、おそらく詞の世界観をダイレクトに描いたものかもしれません。
とてもアーティスティックで知的な映像で、Dream Theaterによく似合うPVだと思いました。
ダークさと、そこから滲み出る情緒が美しい楽曲を是非聴いてみてください。
それでは。