音の日

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David Bowie『Five Years』

今日はDavid Bowie「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)」収録曲『Five Years』について。


この曲は、イギリスのシンガー・ソングライターDavid Bowieが、1972年に発表した曲で、穏やかなメロディと抑揚のある展開が特徴的なロックバラードです。


ソニック・マースのGt.サーストン・ムーアは
以前、この曲を聴いたときの心境を「完全に最高の音楽体験だった」と語っています。


Davidの歌声が、とても優しいです。


加えて、静かな始まりから後半に進むにつれて、音数が増えていく構成が、どんどん聴き手の感情を盛り上げてくれます。


また、そういう劇的な展開の良さだけじゅなく、メロディも歌メロを中心に全体が温かい印象です。


歌詞の内容は、「あと5年で世界が滅亡する、と知らされた主人公の心情」を描いたもの。


「全ての痩せた人、太った人、全ての背の高い人、低い人」
「そして全ての無名の人々、全ての有名な人々」
「俺はそんなにたくさんの人たちを 必要だと思った事はなかった」


「自分達にはもう時間が無い」と知って、普段はただの他人、と思っていた人達に、胸の奥では愛着を感じていた自分に気付いた主人公の心境が表現されています。


「世界が終わる」というと、一見すれば非日常的過ぎて、感情移入が難しい人も多いかもしれませんが、じゃあ実際そんな日が来たら自分ならどうするか、と問われれば、答えられる人は少ない気がします。


「失ってはじめて気付く」とは言いますが、読み手に日常の幸せを、改めて考えさせてくれるきっかけになるような歌詞ではないでしょうか。


「この世が終わる、という時どう生きたくなるだろう」と、自分自身に問いかけながら聴いてみるのも良い曲かもしれませんね。



それでは。