Dir en Grey『我、闇とて…』

今日はDir en Grey「UROBOROS」収録曲『我、闇とて…』について。

この曲は、日本のロックバンドDir en Greyが、2008年に発表した曲で、繊細な曲調と寂しげな歌詞が印象的なロックバラードです。

初回生産限定盤、完全生産限定盤のアルバムには、UNPLUGGEDversionも収録されています。

曲の雰囲気は、序盤は非常に細やかです。

バッキングが静かな為、Vo.京の歌声がよく映えています。

しかし、後半に入ると一気にキーがはねあがり、メロディの悲壮感が増していき、最終的には、なんとhiG＃という、驚異的なキーに達していきます。

日本のメジャーバンドの曲ではなかなか聞けない領域の声ではないでしょうか。

歌詞は、極めて悲痛です。

「正しい価値さえ 冷酷に見えて」

心を打ちのめされている人にとって、「他人を恨んではいけない」、「運命を呪ってはいけない」という道徳論は、むしろ血が通っていない、冷たいものに響きがちなもの。

かえって、相手に心を閉ざさせてしまうきっかけになりやすいものですよね。

「せめて今を声に変えて」
「明日の条件」

それでも歌い手の自分は、その想いを歌にすれば、少しだけ未来に希望を持つことができる。

作詞者の京いわく「聴き手、ライブに来たオーディエンスに向けて書いた」ものだそうですが、この曲は彼にとって、ファンへの「折れそうな自分を受け入れてほしい」というメッセージなのかもしれません。

「自分を見てくれる人は、いないのかもしれない」と、不安や失望感に沈んでしまう時に聴くと、深く胸に響く歌ではないでしょうか。

それでは。