音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

鬼束ちひろ『私とワルツを』

今日は、鬼束ちひろ『私とワルツを』を聴いた感想を。


この曲は、日本のシンガーソングライター鬼束ちひろが、2003年にリリースした曲で、しっとりした雰囲気の中に、強い感情が込められたポップバラードです。


ドラマ「トリック」の主題歌としても知られており、この曲の発表後、彼女自身は一時期活動休止に入ってしまいました。


タイトルの通り、間奏部分にワルツのテンポが用いられています。


ピアノを主体としている為、静かな曲調ですが、音色の感情表現が細やかなので、体感的にはドラマディックです。


歌声は、声の出し方に悲痛さ、寂しさが込められているように思えますが、それ以上に温かさを感じます。


曲の主人公が、まるで傷ついている人に語りかけるような歌い方、と表現できるのではないでしょうか。


そのメッセージ性が、特に綺麗に表されている、と思うのは、この歌詞です。


「優しいものはとても怖いから 泣いてしまう貴方は優しいから」

「悲鳴(こえ)を上げて 名前を呼んで 一度だけでも それが最後でも」


優しい人は、普段から他人の事ばかり考えて、自分自身をかえりみない。

それは、その人自身が望んだことだとしても、その姿を見るのは、その人を愛している人からすればととも辛い。


「誰にも傷が付かないようにと ひとりでなんて踊らないで どうか私とワルツを」


いつも全部をひとりで抱えこまないで、時には自分に弱音を吐いてほしい。


主人公が、愛する人に向ける慈しみの想いが、強く表現された歌詞だと思います。


自分の周囲に、いつも他人に気を使ってばかりの友人、家族がいる、という人、あるいは自分自身がそういう人間、という人は、この曲に感じるものがあるのではないでしょうか。


他人の事で頭がいっぱいの人、そのことで疲れてしまっている人にこそ、聴いてほしい曲ですね。


それでは。