音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

ゴールデンボンバー『女々しくて』

今日はゴールデンボンバー『女々しくて』を聴いた感想を。


この曲は日本のヴィジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバーが2009年にリリースしたロックチューンです。

2014年JASRAC賞を受賞し、しかも2013年度の著作権使用料の「最高額認定」された大ヒット曲。

J-Rockとしては現代的な音色ですが、どことなく漂う昭和歌謡のようなムーディなメロディラインが特徴的です。

この曲で改めて再認識する事ですが、鬼龍院翔(Vo)の歌唱力が思いのほか高い。

サビではけっこうなハイトーンで歌っているにも関わらずなかなかの倍音で、太く芯のある声で歌っています。

エアーバンドというイメージで埋もれがちですが、実はなかなかの実力派シンガーなのではないでしょうか。


いわずとしれた事ですが、歌詞も面白い。

「愛情ってゆーか、ただ君が欲しい 僕の心、犬のよう」
「騙されたって、どうぞ構わない 君と居れるなら」

一見情けないようですが、一周回って逆に純粋な想いにも見えますよね。笑

ややジャンルは違いますが、バンド歴としては彼らの先輩にあたるバンドSex Machinegunsの名曲「圏外なわたし」の

「番号変えないで、番号変えないで、 圏外なの私」
「My Room 雨模様 あなたの名前を、どんなに此処で叫んでも 届かぬ気持ちは…携帯電話叩き割る」

を彷彿とさせます。笑

この2バンドは「コミカルな振る舞い」という共通点がありますが(ただしSex Machinegunsは演奏しますが。笑) 、「それでいて楽曲は本格的」という共通点もあるんですよね。

個人的には「いつか共作とかしてくれないかな」とと思うバンド達です。


ゴールデンボンバーを4年連続紅白出場に導いた曲を聴いてみてください。



それでは。





ソナタ・アークティカ『Weballergy』

今日はSonata Arctica『Weballergy』 について。


アルバム「Silence」収録。


人気の面では、彼らの代表曲「San Sebastian」と並ぶ曲。

美旋律ながら、聴き手を荒波にさらうような抑揚のある展開が持ち味です。

組曲形式」というか、何度も転調を繰り返し前進していく様はまるでギターのオーケストラ。

ただでさえテンポが速い上に幾度となく調が移行する為、ファンの間でもギターをコピーする際に「戸惑った」との声が。

美しさだけじゃなくヤニ・リーマタイネン(Gt) のプレイヤーとしてのスキルも実感できる曲ではないでしょうか。

ミッコ・ハルキン(Key) のキーボードソロで聴き手の気分を高揚させた後に、ヤニのギターソロでとどめを刺しにくる流れは圧巻です。


また、全編に漂う爽やかさも本作の特徴。

トニー・カッコ(Vo) のボーカルが間の少ない「歌いっぱなし」ボーカルなのは、前述の「San Sebastian」にも通じる所がありますが、全体的にポジティブなメロディが流れているのは、ソナタの楽曲としては貴重。

まぁ北欧メタルはどれも爽快な要素は強いのですが、ここまで高濃度のパターンは珍しいのではないでしょうか。

哀愁ほとんど抜きでここまで感動的なHR/HMはある意味天然記念物。

その分、サビでのトニーのハイトーンでの瞬間的な「泣き」が強調されるのが理由の一つなのかもしれませんね。


ひんやりした旋律と火砕流のような音数のメタルを聴いてみてください。



それでは。





桑田佳祐『波乗りジョニー』

今日は桑田佳祐波乗りジョニー』について。


この曲は、日本のシンガーソングライター桑田佳祐が2001年にリリースしたポップロックです。


まるで、音で跳ね回っているような楽しい曲。

タイトルの通り夏が似合うやんちゃなメロディに、タテノリ気味のビートが絡み、目を閉じて聴くと、聴き手にまるで本当にビーチに来たような景色を見せてくれます。


この曲で好きなのは、細かな工夫。

一見、軽快系のポップスに聴こえて、数本重ねて録られたギターや、さりげなく入っているティンパニの音などデリケートな隠し味が豊富に含まれています。

桑田佳祐本人がプレイしているギターによるカッティングなど、明るさの中にクールさも。

サザンオールスターズの音楽を、ロック成分を濃いめに設定したようなかっこ良さがある曲です。


この「軽快ながら、どこか硬派」な雰囲気にはなんとなく、桑田佳祐が尊敬するビートルズのテイストを感じます。

桑田佳祐自身は、「世界一好きなミュージシャン」にポール・マッカートニーの名をあげ、

「昔は、サザンはいつかビートルズになれると思った。 けれど 最近これは無理だなあ って思うようになったんだよね。」

と語る程のビートルズファンで知られていますが、このノリノリなようで鋭いな曲調には、どことなく「J-POP的ビートルズ」とでも呼べるような深みがあるんですよね。

彼自身が持つ音楽エネルギーと先人へのリスペクトが解け合って生まれた、唯一無二の化学反応を起こしたポップスではないでしょうか。

「The・桑田佳祐」の中にも、ポップロックの普遍的な佇まいのある曲を聴いてみてください。



それでは。





Kiroro『生きてこそ』

今日はKiroro『生きてこそ』を聴いた感想を。


この曲は、日本の二人組音楽グループKiroroが2005年にリリースしたポップバラードです。

宮原永海、TARAKO宍戸留美が声優として出演していることでも知られるアニメ「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」のOPテーマとしても有名。


「生きてこそ 生きてこそ 広がってまたつながる」

命への賛美の想いに満ちた曲。

実は本作の作曲時、金城綾乃(Key)は既に妊娠しており、この曲は自分が母親になるからこそ実感できた両親への感謝が込められているそう(作詞者は玉城千春(Vo)ですが)。

「ママ私が生まれた日の 空はどんな色」
「パパ私が生まれた日の 気持ちはどうだった?」

一般に「リアリティのある詞」と呼ばれる歌詞は、一種の厳しさや冷たさを表現したものが多いと思います。

けれどこの詞は
「親の気持ちをリアルに表しているのに、温もりがある」
という独特な趣きを孕んでいますよね。

現実性というよりは「親近感」がある、と言う方がしっくりくるかもしれません。


歌詞も良いのですが、玉城千春の歌唱がまた美しい。

まるで祈るような柔らかで、とても尊い歌声。

「彼女が歌う事」が、詞に込められた情緒を限界まで際立たせていると思います。

バックの演奏があまり大袈裟なプレイをしていない為、その声がより引き立つ結果に。

ピアノを弾きながら発せられる、金城綾乃のコーラスがふわり、とボーカルに寄り添うパートはこの曲のピーク。

温かさが心の底のまで伝わっていく作品ではないでしょうか。


ちなみにアニメ「ポケットモンスター」の、サトシ担当として知られる声優、松本梨香が アルバム『まんまる』で

May J.がアルバム『Heartful Song Covers』において本作をカバーしています。

歌唱力の評価が高い二人なので、抜群の仕上がり。
興味のある人は是非聴いてみてください。



それでは。






ドラゴン・フォース『My Spirit Will Go On』

今日はDragonforce『My Spirit Will Go On』について。


アルバム「Sonic Firestorm」収録。

この曲はイングランドのパワーメタルバンドDragonforceが2004年に発表したメロディックスピードメタルです。


激流のように激しく、展開の変化に富んだ曲。

一説には「スピードメタルに、本格的なブラストビートを導入した始まりの曲」。

速さの面ではドラゴン・フォースとしては一般的ですが、とにかくリフとリズムのパターンが変化しまくり、人間技というより「自然現象」という領域に達しています。

「リズムパターンが変化しまくる」と言ってもプログレ的に変化するのでは無く、あくまでスラッシュビートの流れを維持した中での変化なので、スピードメタル本来の迫力は損なわれていません。

この変化数はどことなくアイアン・メイデンを連想。

これだけ派手な事をして王道スピードメタルの形を崩さない、サム・トットマン(Gt)の曲構成力には驚くばかりです。


ZPサート(Vo)の歌声も聴きどころ。

デビュー当時の頃はメタルファンの間では、声域が広い事以外はあまり注目されていなかった彼ですが、本作収録のアルバムから歌声に重厚さがましています。

特に中音域が太くなった印象。

もともとボーカルのメロディに日本のポップスのような情感があるのに加え、それをこの歌声で歌う事で感動が増幅。

基本的に海外メロスピはギターの動きはメロディアスなのに歌メロは単純、というパターンも多いのですが、この曲の歌メロはそれだけでも聴ける程美しいメロディ。

速いリズムに美しいギター+綺麗な歌メロ、という組み合わせは日本のXjapanのようです。


ちなみに彼らの楽曲の中でも、デイヴ・マッキントッシュ (Ds)のプレイが光る曲でもあります。

ドラゴン・フォースと言うとサム・トットマン (Gt)
とハーマン・リ(Gt)の音速ギターソロが有名ですが、この曲はそのソロ後半で、デイヴの鬼のようやブラストビートが発動。

彼はこのバンドのメンバーとしては、本作収録のアルバムが「デビュー作」のため気合いが入ったのかもしれませんが、ブラストの入りのタイミングが絶妙なので、プレイのかっこよさが倍増しています。


ドラゴン・フォース曲としては珍しい、必ずしもギター優位とは限らない楽曲を是非聴いてみてください。



それでは。






嵐『One Love』

今日は嵐『One Love』について。


この曲は、日本のアイドルグループ嵐が2008年にリリースしたポップロックです。

井上真央松本潤小栗旬松田翔太阿部力が出演した事でも知られるドラマ「花より男子F(ファイナル)」の主題歌としても有名。


「百年先も 愛を誓うよ」

スケールの大きすぎる愛のメッセージが込められた本作は、嵐の作品の中でも最高レベルの知名度を誇るポップスです。


この曲の聴きどころは、曲構成。

キャッチーながらもマーチングのようなイントロから始まり、中間部ではポップス曲としては壮大なストリングスが入る事で、曲がぐんと厚くなります。

特に前述の、印象強い「百年先も……」のところでクライマックスのサビを持ってくるのが良い。

曲中でも強いメロディと強い歌詞の相乗効果で、一度聴くとしばらく頭に残り続けるようなインパクトを演出してくれます。


また大野智櫻井翔相葉雅紀二宮和也松本潤 メンバー全員にソロパートがある事も特徴。

まるで節ごとに違う『One Love』が表現されているかのよう。

サウンド自体も明るくも聴き心地が良いですが、編曲者がEvery Little Thingの「Reason」やKiroroの「みんなへ」を担当した石塚知生

やはり、このしなやかで透明感のある音作りはさすが。

全体的に明朗快活なんだけど、どこかに品のある楽曲ではないでしょうか。


以前『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』で行った

「今聴きたい!嵐の思い出の名曲集 嵐の名曲リクエスト TOP10」

において1位を獲得した曲を聴いてみてください。



それでは。






浜田麻里『Fantasia』

今日は浜田麻里『Fantasia』を聴いた感想を。



アルバム「Reflection -axiom of the two wings-(リフレクション アクシオン・オブ・ザ・ツー・ウィングス」収録。

この曲は、日本のシンガー・ソングライター浜田麻里が2008年に発表したヘヴィメタルです。

浜田麻里自身の歌唱が冴え渡る曲。

入りと時点で超がつく高音を発揮。

しかも発声もナチュラルでズシッとした強い芯があります。

声量に至ってはまるでクラシック声楽家の領域。
ヴィブラートも深くなめらか。

女性HR/HMボーカリストしては比喩ではなく世界屈指の実力者ではないでしょうか。

ちなみに彼女は本作をひっさげてSLAYER、MEGADETHARCH ENEMYHELLOWEEN、DRAGONFORCE、CHILDREN OF BODOM、Vescera、ANTHEM、GALNERYUSなど、大物メタルバンド共に第10回ラウドパークにも出演。

それ以前にもサマー・ソニックなどロックフェスには出演していましたが、本格的な「メタルフェス」はその時が始めて。

当然会場には彼女のファンだけじゃなく前述のバンド達を見に来た人達もいましたが、その他バンドファン達も、浜田麻里のバンドが演奏を始めると会場の盛り上がりがその日始めてのピークを迎えたとのこと。

耳の肥えたメタルファン達さえ唸らせ、彼女の歌唱力の凄さを改めて証明しました。


曲調もクラシカルで、北欧系パワーメタル的なかっこ良さがあります。

シャウト系というよりはベルカントに近い発声の浜田麻里にはこういう曲の方があっているかもしれません。

歌唱、ボーカルと曲との相性の良さ、あるゆる面がピタッとハマった楽曲ではないでしょうか。


ちなみにレコーディングには、なんとB'zの松本孝弘がギターとして参加しています。


歌もバックの演奏も申し分の無いHR/HMを聴いてみてください。



それでは。