音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

Kiroro『未来へ』

今日はKiroro『未来へ』について。


この曲は、日本の音楽グループKiroroが1998年にリリースした曲で、温かいメッセージ性が印象的なポップバラードです。


テレビやラジオでも頻ぱんに流れるので、日本ではほとんどの人が聴いたことがあると思います。
学校では、よく学生の合唱曲としても演奏されていまよね。


メロディに優しさだけじゃなく、どこか理性で聴き手を包み込むおおらかさのようなものを感じます。

アットホームながら大人びた雰囲気は、前作の「長い間」にも通じるところがあるのではないでしょうか。


Kiroroらしく、やはり特に詞が素晴らしい曲だと思いますが、作詞者の玉置(Vo)いわく「勝手に心の中で母親が死んだと思って書いた」ものとのこと。笑


「母がくれたたくさんの優しさ」
「愛を抱いて歩めと繰り返した」

「ほら足元を見てごらん」
「これがあなたの歩む道」


過去を振り返ることで、また将来に歩き出そうという思いが描かれています。

人生に悩むと多くの人は、つい先のことばかり考えがちなものですが、あえて積み上げてきた思い出を振り返ることで見えてくるものもある。

学校の音楽の教科書にも掲載されている曲ように、立ち止まっている人に「悩み方」を諭してくれるような詞にも思えます。


愛されているのは日本だけじゃなく、海外には『未来へ』をカバーしているアーティストもいます。

特にブルネイ、マレーシアでの人気は凄いらしく、現地の人達には日本語で歌える人も多いとか。


彼女達の楽曲が場所も時代も選ばず、沢山の人々に「広く深く」届いているからなんでしょうね。


最高の卒業ソングは、自分の立ち位置を見つめ直すきっかけにできる曲ではないでしょうか。



それでは。





高橋ひろ『太陽がまた輝くとき』

今日は高橋ひろ『太陽がまた輝くとき』を聴いた感想を。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター高橋ひろが1994年にリリースした曲で、センチメンタルなメロディが印象的なポップバラードです。


アニメ「幽☆遊☆白書」第4期EDテーマ。
彼自身の最大のヒット曲でもあります。


バックの演奏も綺麗ですが、あくまでも歌がメイン、と思わせる叙情的で美しい歌メロが楽しめる曲。
ある種、昭和歌謡の要素も感じられます。


この曲調で、グラブ、ダンスミュージックが台頭
してきていた当時の日本で週間オリコンチャート9位にランクインできたのは、もちろんアニメのタイアップ効果もあるでしょうが、この曲の歌謡的繊細なメロディが、日本人の普遍的な感性にマッチしているからかもしれませんね。


ちなみに高橋ひろは元チューリップのメンバーでもありますが、それは財津和夫が彼の音楽的才能に惚れ込んでのことのようです。


この曲で好きなのは歌詞。


「外は雨がまだやまずに」
「濡れてる人々と街が それでも太陽信じてる」

「外は雨がまだやまずに…」


ここでの太陽は、太陽フレアで世間を騒がせている方の太陽では無く(笑)、“希望”の比喩のもよう。

哀しみはいつ終わるのかさえ解らないけれど、未来での幸せを信じる想いが綴られています。

ポイントは曲の最後まで「雨」が降りやむことは無いこと。


これが「辛いことはいつかは終わるのだろうけど、だからとそう早く終わるわけは無い」の意味だとすれば、それでも幸福を信じ続けようとする主人公の気持ちが、かえって聴き手にリアルに響くのではないでしょうか。


高橋ひろ自身は残念ながら2005年に、多臓器不全で41歳の若さで亡くなってしまいましたが、その繊細な感性で生み出された『太陽がまた輝くとき』は、今でも多くの人達の胸に残り続けています。


苦しみと願いが混じりあう歌を是非聴いてみてください。



それでは。






スコーピオンズ『Rock You Like a Hurricane』

今日はScorpions『Rock You Like a Hurricane』(邦題ハリケーン)について。


この曲は、ドイツのHR/HMバンドScorpions1984年にリリースした曲で、80年代HR/HMのかっこよさが全開のハードロックです。


ベルリンフィルハーモニーと共演したこともでも知られるように、荒々しいロックでありながらどこかに品を備えている曲。


イントロのGtの時点でつかみはバッチリです。
哀愁のあるハモリが、一瞬で聴き手をこの曲の世界に引き込んでくれます。


HRでありながら、Aメロでのクラウス(Vo)のウィスパーVoはまるで美しいバラードのよう。

Scopionsが持つデリケートなセンスを味わえます。


ロディックなリフもこの曲の聴きどころの一つで、生み出したのは、あのHR/HMギターの神マイケル・シェンカーの実兄ルドルフ・シェンカー(Gt)。

ぶ厚く覚えやすいリフメイクっぷりは、弟に勝るとも劣らない才能を見せつけてくれています。


クライマックスはマティアス(Gt)の鋭いギターソロ。

ギュルルルッ、と太い音粒が渦巻を巻く様は、それこそタイトルの通りハリケーンのよう。

この名ソロがこの曲のかっこよさを最大限に引き上げてくれているのではないでしょうか。


セールス的にも成功した曲ですが、アメリカのケーブルテレビ・チャンネルVH1から「VH1による史上最も素晴らしいハードロックソング」で18位に選ばれ、また「80年代のベストリフ」でも4位にランクインしています。


この曲が国境や玄人素人を越えたところで愛されている証なのかもしれませんね。


キャッチーなメロディとヘヴィなリズムの楽曲を是非聴いてみて下さい。



それでは。






井上陽水『少年時代』

今日は井上陽水『少年時代』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター井上陽水が、1990年にリリースした曲で、聴き手を思い出の世界に還してくれるポップバラードです。


映画「少年時代」の主題歌。また彼自身の最大のヒット曲としても知られています。


ピアノは来生たかお
少年時代の夏の思い出をテーマにした曲のようですが、彼の奏でるメロディはしっとりとしていて、夏というよりは秋、冬をイメージさせてくれます。

こういう綺麗なあまのじゃくさが魅力的です。


「夏まつり宵かがり」
「胸のたかなりにあわせて」


幼い少年にとって世界は、全てが新鮮で新しい何かに出会うたびに、胸をたかならせてくれるもの。

大人になるにつれて忘れかけていく気持ちを、思い出させてくれるような歌詞です。


ただ歌詞には、あまり具体的な描写はありません。

「夏まつり」とは書いていますが、それ以外には読み手にくっきりとした絵が浮かばないように綴られているような印象です。


オフコースにおける小田和正の詞にもいえることですが、こういうあえて細かい描写を省く表現は、読み手によって違う世界をイメージさせてくれるんですよね。


読み手によって違う景色、それが遠ざかっていく寂しさ。それぞれの『少年時代』が存在するんです。


発表されてから30年近くたつ現在でも古くならない理由なのかもしれませんね。


みなさんもこの歌を聴いて、カラフルな懐かしさを感じてみてはいかがでしょうか。



それでは。





Wands『もっと強く抱きしめたなら』

今日はWandsもっと強く抱きしめたなら」を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドWandsが1992年にリリースした曲で、ソフトな音色と勢いのある曲調のギャップが印象的なポップロックです。


三井生命CMソング。
Wandsが初のオリコン1位を獲得した曲であり、彼ら自身の最大のヒット曲でもあります。


サウンドは軽快ですが、迫力は並のロック以上のもの。


Aメロでは上杉(Vo)の朗々とした低音Voが流れますが、サビではドンッと厚い高音に跳ね上がります。


声量、声色の濃淡が見事に使い分けられていますが、なんと当時の上杉は若干20歳。


優秀なミュージシャンは若い頃からなんらかの片鱗を見せる事が多いそうですが、ここまでの歌唱の才能の持ち主はなかなかいないと思います。


後任の和久二朗といい、WandsのVoは代々優秀ですよね。


「このまま時が止まればいいと君は言うけど」
「何も怖れることはない」


こういう甘くも自信に満ち溢れた歌詞も、上杉が歌ってくれれば説得力があります。笑


ポップとロックの間のような曲調はビーイング所属バンドの持ち味だと思いますが、Wandsのこの曲はその成功例中の成功例ではないでしょうか。


バブルが弾けたばかりの不況の時代に生まれたとは思えないエネルギー量を感じさせます。


素晴らしい完成度のJ-Rockを、是非聴いてみてください。



それでは。






ディープ・パープル『Highway Star』

今日はDeep Purple「Machine Head」収録曲『Highway Star』について。


この曲は、イギリスのHR/HMバンドDeep Purpleが1972年に発表した曲で、ヘヴィながら朗らかな曲調が特徴的なハードロックです。


「俺の女は誰にも渡さない」
「最後まで彼女を独り占めにする」

「俺はハイウェイ・スターだ」


愛車を恋人に見立てた、ワイルドながらコテコテなロック詞にも見えますが、曲の中盤部分でバッハのコード進行が導入されていたりと、優美な一面も含まれた曲。


ソロパートにおいてはリッチー(Gt)のギターとロード(Or)のオルガンの怒涛の掛け合いが楽しめます。

世界中のロックキッズに影響を与えたソロは、タイトルに恥じぬ超速ソロです。


歌メロはキャッチー。
随所に入るイアン・ギラン(Vo)の、激しくも天真爛漫なシャウトがかっこいい。


ロディック、シャウト、メロディック、シャウトの緩急が聴き手の魂を揺さぶってくれます。

聴衆に「俺達についてこい」と語りかけるような、あけなすな歌メロです。


ややポップな音階の為、HR/HMにコアなイメージを持ちがちな一般の人でも聴きやすいのではないでしょうか。


実際、当時は学校の学園祭で演奏されることも多いかったんですよね。


メジャーからもマイナーからも愛される、稀有なロックだと思います。


数少ない「誰でも一度は聴いたことのあるHR/HM」を改めて是非聴いてみてください。



それでは。







沢田知可子『会いたい』

今日は沢田知可子『会いたい』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター1990年にリリースした曲で、ノスタルジックな愛が描かれたポップバラードです。


「トゥナイト」EDテーマ。
また全日本有線放送大賞グランプリ受賞曲としても知られています。


オリコンでは6位ですがロングヒットを飛ばし、最終的にはミリオンセラーを達成しました。


こういう「ある程度の売り上げを長くキープ」するのが「名曲」っぽいですよね。


作曲者は日本が誇る大作曲家、財津和夫

曲調がポップ+ヒーリングミュージック的で穏やかです。


そういえばこの優しいメロディは、どことなくあのチューリップを思わせますよね。


歌詞は没した恋人との思い出を回想をテーマにしたもの。


「声をかける人をつい見つめる」
「彼があなただったなら」
「あなだったなら」


自分をナンパしてきた人に、その人自体に興味は無いのでしょうが、寂しさのあまり今は亡き恋人の姿を思わず重ねてしまう。


作詞者は沢ちひろであり沢田知可子ではありませんが、実は沢田知可子本人は、若い頃に恋をしていた先輩を事故で亡くしてしまう、という出来事を経験しています。


「将来歌手になる」と語る沢田に、「俺が最初のファンになってやるよ」と言ってくれた先輩だったそうですが、沢田はこの歌詞を渡されたとき「彼からの贈り物かもしれない」と感じたようです。


セールス的に鳴かず飛ばずだった時期に、この曲で彼女は大ブレイクしましたから、何か運命めいたものを感じますよね。


また、日本らしい曲だとは思いますが、海外の人達からも評価が高い模様。

この曲が動画サイトにアップされると

「歌詞は読めないけれど、このメロディが大好き」

「私もこの歌が大好きなんです。・・・本当にありがとう。」

「憧れていた女性と過ごした、素晴らしい日々を思い出させる。今、もの凄く彼女に会いたいよ」


と外国語のコメントが並びます。


曲に込められた美しい慕情は、海を越えたところで暮らす人々の心にも届いているようです。


孤独感がありながら、聴き手を癒してくれる音楽を是非聴いてみてください。



それでは。