音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

Loudness『The End of Earth』

今日はLoudness「Spiritual Canoe~輪廻転生~」収録曲『The End of Earth』について。


この曲は、日本のHR/HMバンドLoudnessが2001年に発表した曲で、骨太なサウンドと緻密な演奏が特徴的なヘヴィメタルです。


ロディアスさと使用されている技術、両方が卓越した曲です。


イントロはスローなリズムですが、良い意味で聴き手を裏切るように、急加速。


そこから嵐のように激しい刻みのリフが流れ、Vo.二井原のキャッチーな歌声が響きます。


彼の声としては珍しいほど低音域での歌唱ですが、その分ナチュラルで、艶があって個人的には好きな声です。


そしてサビが終わると、全国のメタルファンを騒然とさせた、Gt.高崎晃のソロパート。


なんと、両手でのタッピング。


しかも高速で、音の数もまるでマシンガンの弾丸のように多いです。


おそらくこのパートがこの曲のメインだと思いますが、聴いた多くのメタルファン、ギター経験者が腰を抜かしたのではないでしょうか。


ファンから「人間技とは思えない」とまで言われるソロですが、きっと世界中探しても、こんなソロを聴かせてくれるバンドはなかなかいないと思います。


しかも技術だけじゃなく、音階もかっこいい。
純粋にメロディだけをみても、名ソロになり得るフレーズです。


沢山のリスナーに「こんな次元があるんだ」と思わせてくれる曲ではないでしょうか。


熟練の威厳を見せつけてくれる、テクニカルなプレイを聴きたい人は、是非聴いてみてください。



それでは。






My Little Lover『Hello,Again~昔からある場所~』

今日はMy Little Lover『Hello,Again~昔からある場所~』について。


この曲は、日本の音楽ユニットMy Little Loverが、1995年にリリースした曲で、透き通るような音色と力強い歌詞が印象的なポップバラードです。


ミリオン達成曲であり、シングルとしては、彼ら自身の最大のヒット曲。
また、ドラマ「終わらない夏」の主題歌だったことでも有名な曲です。


メロディは、基本的には明るいのですが、どこか寂しさも感じます。


始まり方はやや軽快で、爽やかな青春曲のような雰囲気ですが、サビでは一気に哀愁を帯びます。


強弱を抑えたVo.akkoの歌い方が、曲に込められた豊かな情緒を、より引き立ててくれているのではないでしょうか。


歌詞の内容は、作詞者の小林武史いわく
「少年が慣れ親しんだ場所を離れる際の痛みと希望」
を描いたもの。


「新しい扉を開け」
「海に出れば 波の彼方にちゃんと“果て”を感じられる」


この場所を離れたくはない。けれど前に進めば、より強く心を満たしてくれる何かが見つかるかもしれない、という主人公の決意が表現されています。


進学のときでも上京のときでも、少年というのはいつまでも同じ場所には居られないもの。


それでもそれが悲しいこととは限らず、新しい出逢い、生き甲斐が見つかるきっかけになるかもしれない、ということを、改めて思い出させてくれるような歌詞だと思います。


行きたい場所があるけれど、不安でなかなか歩み出せない、という人に勇気を与えてくれる曲ではないでしょうか。



それでは。





飛蘭『Dead END』

今日は飛蘭『Dead END』を聴いた感想を。


この曲は、日本の女性歌手飛蘭が、2012年にリリースした曲で、エネルギッシュで勢いのある曲調が印象的なロックチューンです。


アニメ「未来日記」のOPテーマ曲だったことでも知られています。


歌詞は「未来日記」の世界観に合わせられたもので、えげつなくも、独特な達観性を持つもの。


「自分の願いの為に 友達を殺せる?」
「それとも、誰かの為に死ねる?」
「どっちも同じことなんだよ」


「どちらにしても、目的の為に誰かを犠牲にしたことに変わりは無い」という冷厳な思いが描かれています。


曲調が熱いぶん、コントラストが凄い歌詞ではないでしょうか。


曲は、あのCDジャーナルから「ドラマティックかつ大胆な展開」とまで評されたほど、起伏が激しいもの。


基本的にはテンポの速い疾走曲ですが、リズムが速くなったり遅くなったり、また静寂パートもある劇的な曲です。


Vo.飛蘭の歌声も、低音から高音まで使用されていて、どの角度から聴いても聴き手を飽きさせない構成になっていると思います。


聴き返すたびに新たな魅力を感じることができる曲ではないでしょうか。


圧倒的な迫力とクオリティの曲を、是非聴いてみてください。



それでは。






Judas Priest『NOSTRADMUS』

今日はJudas Priest「NOSTRADAMUS」収録曲『NOSTRADMUS』について。


この曲は、イギリスのHR/HMバンドJudas Priestが、2008年に発表した曲で、壮大な曲調とハイスパートなリズムが特徴的なメタル・オペラです。


日本テレビの特番「人類は宇宙を目指した」でインスト部分のみ使用されたことがあります。


曲構成は非常に緻密です。


彼らのベースである正統派メタルの中に、シンフォニックの要素が多分に組み込まれています。


クラシカル成分の量では、Judas Priest曲でも屈指ではないでしょうか。


始まりではオペラのような、落ち着きながらも重厚なメロディが流れ一転、急速に疾走します。


そこからはJudas Priest名物Vo.ロブのハイトーンシャウト、高速ツーバス、動き回るリフといった、王道メタルパート。


一見いつもと違う曲調でも、こういう「彼ららしさ」を貫く時勢は、大御所メタルバンドの誇りを感じますよね。


ツインリードGtも凄い。
音数とメロディアスさを兼ね備えたソロパートは圧巻です。


サビでの歌メロはかなりキャッチー。

一度聴いただけでも、すっと記憶に残るメロディではないでしょうか。


こういうシンフォニックでヘヴィ、美しいサビメロ、という構成は、彼らの名曲「A Touch of Evil」に通じるところがあると思います。


古参のファンにも新規のファンにも支持されている、バランス感覚に優れた曲です。


聴いていると違う世界に連れていかれるようなドラマ性を感じたい人は、是非聴いてみてください。



それでは。






Dreams Come True『未来予想図Ⅱ』

今日はDreams Come True2ndアルバム「Love Goes On…」収録曲『未来予想図Ⅱ』について。


この曲は、日本のバンドDreams Come Trueが、1989年に発表した曲で、情緒豊かなメロディとアットホームな歌詞が印象的なポップバラードです。


「Ⅱ」とはありますが、1991年の「未来予想図」より先に発表された曲。

また原曲は、Vo.吉田美和が、高校時代にすでに作曲していた曲としても知られています。


曲調は、穏やかながら爽快。


演奏時間は彼女達の曲の中でも最長の曲ですが、「長い」と感じさせません。


日本メジャーシーン最高レベルの歌唱力と、無駄な音の無い構成の曲が、聴き手に時間の流れを忘れさせてくれます。


歌詞はリアルで、青春時代を思い出させてくれるような内容。


「私を降ろした後 角をまがるまで見送ると」
「いつもブレーキランプ5回点滅」
「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」


有名なフレーズなので、「フルで聴いたこと無くても、この歌詞は知ってる」という人も多いと思います。


この曲がヒットした後日本で、本当にブレーキランプを点滅させて、「愛してる」と合図をおくるカップルが急増したとのこと。笑


こうして、熱心なファン以外の人達にも影響を与えることができるのは、偉大な音楽である証ではないでしょうか。


社会現象にまでなったスケールの曲を、是非聴いてみてください。



それでは。






GLAY『I am ×××』

今日は、GLAY『I am ×××』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドGLAYが、2009年にリリースした曲で、重い音と切ないメロディが印象的なポスト・グランジです。


映画「ラスト・ブラッド」の主題歌。

また、彼ら自身の記念すべき、メジャーデビューから丁度15年の日に発表された曲でもあります。


曲調は、GLAYのシングル曲としては珍しいほどダーク。


Aメロの時点ではメロディが落ちていて、一種の冷静ささえ感じるのですが、Bメロに入ると、急激に激しいバッキングが入ります。


そうして聴き手にインパクトを与えると、そのまま壮大なサビへ。


「Yes、I am Oh Yes、I am(私は私だ)」


Vo.Teruが、力強いハイトーンヴォイスで叫びます。

ややシャウト声なのですが、場面ごとに発声法が変えられていて、TeruのVoスキルが堪能できるようになっているのではないでしょうか。


リズム隊のパワーも凄まじく、Drの音圧が大砲のよう。


ヘヴィさもさることながら、メロディも美しいです。

GLAYの楽曲は、バラードにしてもロックにしても、必ず綺麗なメロディが入ってるいますが、本作でもそれは健在。


良い意味で彼ららしくないところと、彼ららしいところが織り混ぜられた作品になっているのではないでしょうか。


ハードながらも、儚い世界観の曲を是非聴いてみてください。



それでは。






David Bowie『Five Years』

今日はDavid Bowie「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)」収録曲『Five Years』について。


この曲は、イギリスのシンガー・ソングライターDavid Bowieが、1972年に発表した曲で、穏やかなメロディと抑揚のある展開が特徴的なロックバラードです。


ソニック・マースのGt.サーストン・ムーアは
以前、この曲を聴いたときの心境を「完全に最高の音楽体験だった」と語っています。


Davidの歌声が、とても優しいです。


加えて、静かな始まりから後半に進むにつれて、音数が増えていく構成が、どんどん聴き手の感情を盛り上げてくれます。


また、そういう劇的な展開の良さだけじゅなく、メロディも歌メロを中心に全体が温かい印象です。


歌詞の内容は、「あと5年で世界が滅亡する、と知らされた主人公の心情」を描いたもの。


「全ての痩せた人、太った人、全ての背の高い人、低い人」
「そして全ての無名の人々、全ての有名な人々」
「俺はそんなにたくさんの人たちを 必要だと思った事はなかった」


「自分達にはもう時間が無い」と知って、普段はただの他人、と思っていた人達に、胸の奥では愛着を感じていた自分に気付いた主人公の心境が表現されています。


「世界が終わる」というと、一見すれば非日常的過ぎて、感情移入が難しい人も多いかもしれませんが、じゃあ実際そんな日が来たら自分ならどうするか、と問われれば、答えられる人は少ない気がします。


「失ってはじめて気付く」とは言いますが、読み手に日常の幸せを、改めて考えさせてくれるきっかけになるような歌詞ではないでしょうか。


「この世が終わる、という時どう生きたくなるだろう」と、自分自身に問いかけながら聴いてみるのも良い曲かもしれませんね。



それでは。