GLAY『I am ×××』
今日は、GLAY『I am ×××』を聴いた感想を。
この曲は、日本のロックバンドGLAYが、2009年にリリースした曲で、重い音と切ないメロディが印象的なポスト・グランジです。
映画「ラスト・ブラッド」の主題歌。
また、彼ら自身の記念すべき、メジャーデビューから丁度15年の日に発表された曲でもあります。
曲調は、GLAYのシングル曲としては珍しいほどダーク。
Aメロの時点ではメロディが落ちていて、一種の冷静ささえ感じるのですが、Bメロに入ると、急激に激しいバッキングが入ります。
そうして聴き手にインパクトを与えると、そのまま壮大なサビへ。
「Yes、I am Oh Yes、I am(私は私だ)」
Vo.Teruが、力強いハイトーンヴォイスで叫びます。
ややシャウト声なのですが、場面ごとに発声法が変えられていて、TeruのVoスキルが堪能できるようになっているのではないでしょうか。
リズム隊のパワーも凄まじく、Drの音圧が大砲のよう。
ヘヴィさもさることながら、メロディも美しいです。
GLAYの楽曲は、バラードにしてもロックにしても、必ず綺麗なメロディが入ってるいますが、本作でもそれは健在。
良い意味で彼ららしくないところと、彼ららしいところが織り混ぜられた作品になっているのではないでしょうか。
ハードながらも、儚い世界観の曲を是非聴いてみてください。
それでは。
David Bowie『Five Years』
今日はDavid Bowie「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)」収録曲『Five Years』について。
この曲は、イギリスのシンガー・ソングライターDavid Bowieが、1972年に発表した曲で、穏やかなメロディと抑揚のある展開が特徴的なロックバラードです。
ソニック・マースのGt.サーストン・ムーアは
以前、この曲を聴いたときの心境を「完全に最高の音楽体験だった」と語っています。
Davidの歌声が、とても優しいです。
加えて、静かな始まりから後半に進むにつれて、音数が増えていく構成が、どんどん聴き手の感情を盛り上げてくれます。
また、そういう劇的な展開の良さだけじゅなく、メロディも歌メロを中心に全体が温かい印象です。
歌詞の内容は、「あと5年で世界が滅亡する、と知らされた主人公の心情」を描いたもの。
「全ての痩せた人、太った人、全ての背の高い人、低い人」
「そして全ての無名の人々、全ての有名な人々」
「俺はそんなにたくさんの人たちを 必要だと思った事はなかった」
「自分達にはもう時間が無い」と知って、普段はただの他人、と思っていた人達に、胸の奥では愛着を感じていた自分に気付いた主人公の心境が表現されています。
「世界が終わる」というと、一見すれば非日常的過ぎて、感情移入が難しい人も多いかもしれませんが、じゃあ実際そんな日が来たら自分ならどうするか、と問われれば、答えられる人は少ない気がします。
「失ってはじめて気付く」とは言いますが、読み手に日常の幸せを、改めて考えさせてくれるきっかけになるような歌詞ではないでしょうか。
「この世が終わる、という時どう生きたくなるだろう」と、自分自身に問いかけながら聴いてみるのも良い曲かもしれませんね。
それでは。
B'z『May』
今日はB'z『May』について。
この曲は、日本の音楽ユニットB'zが、2000年にリリースした曲で、ミステリアスなメロディが印象的なロックバラードです。
日本レコード協会から、ダブルプラチナを授与された曲としても知られています。
歌詞は恋愛感情と、無力感が入り交じったような複雑なもの。
「昔に戻りたいんじゃない」
「やり直せるかどうかなんて そんなことはどうでもいい」
「ただ気になって仕方ない」
別れた恋人に対する
「また付き合いたい、とは思わない。けれどあなたが、今どんな日々の中で生きているのか知りたい。」
という、満たされない主人公の心が描かれています。
タイトルの『May(5月)』は、歌詞を読んだGt.松本が、「五月病のような虚しい心情」を感じたことでつけられたそうですが、それに相応しい虚無感を感じますよね。
曲調はしとやかなもの。
バラードとしては珍しくスクラッチが使われていたり、細かな工夫も特徴的ですが、基本明るい曲が多いB'zのシングル曲の中では、貴重なほど冷えた雰囲気があります。
元々「原点回帰」をテーマに作曲され、メンバーも「世間の人がイメージするB'zの典型的な曲」と評していましたが、意外にもファンの多くからは「今までシングルになかったタイプの曲」と評価されたそうです。
B'zの楽曲の中でも、独特な位置にある曲だということが伝わってくるエピソードですよね。
普段とはまた違うB'zを感じたい人に聴いてほしい曲です。
それでは。
L'Arc~en~Ciel『Daybreak’s Bell』
今日はL'Arc~en~Ciel『Daybreak's Bell』を聴いた感想を。
この曲は、日本のロックバンドL'Arc~en~Cielが、2007年にリリースした曲で、複雑なリズムとキャッチーな音階が印象的なロックチューンです。
タイトルの和訳は「夜明けの鐘」。
また、アニメ「機動戦士ガンダム00」の第1期のOPテーマだったことでも知られています。
歌詞の内容は、作詞者のhydeいわく「戦争に駆り出される男性を思う女性の目線」として書かれたもの。
「ねぇ 人はどうして繰り返し過ちを重ねてく?」
「進化しない誰もに流れる この血が大嫌い」
登場人物の女性に、平和を願う気持ちを「この世界を愛してる」でも「皆で幸せになりたい」でも無く、人間の性悪的な部分を指して「大嫌い」と言わせるhydeのシビアさが凄い。
一般的なメジャーシーンの反戦曲とは、また少し違う色を持つ歌詞だと思います。
曲調はかなりヘヴィ。デビュー当時の頃のL'Arcを思い出した人も多いのではないでしょうか。
ヘヴィと言っても、音色自体はポップよりですので、ゴリゴリのHR/HMを聴かない人でも聴きやすいと思います。
うねりまくるtetsuyaのBa、繊細なkenのGtなど聴きどころは多々あるのですが、個人的にはyukihiroのDr。
パワフルながらもトリッキーで、Drで歌っているような感じがします。
リズム隊でここまで「綺麗」と思わせてくれる曲も珍しいのではないでしょうか。
力強くも細やかな曲に興味がある人に聴いてほしい曲です。
それでは。
DEAD END『Dress Burning』
今日はDEAD END「Metamorphosis」収録曲『Dress Burning』について。
この曲は、日本のロックバ ンドDEAD ENDが、2009年に発表した曲で、ダークで神秘的な曲調が特徴的なヘヴィメタルです。
再結成後、20年ぶりにリリースされたアルバムに収録された曲です。
歌詞は、DEAD END節が炸裂したもの。
「やめておくれ 豚どもよ悪者探し」
「すべて許せ もう何が起こっても」
「悪者探し」に躍起になる人々を「豚」と言い切るVo.MORRIE(作詞者)。
古参のファンの中には、「俺達の知ってるMORRIEが帰ってきた!」と喜んだ人も多いのではないでしょうか。笑
けれどその行為自体を「やめておくれ」と言っているところに、どこか人類愛のようなものも感じますよね。
ちなみこの「豚」の歌詞を読んだプロデューサーの岡野ハジメからは、「DEAD ENDのスイッチが入ってる」と評されたそうです。笑
曲はアグレッシブながら艶やか。
リズムはシンプルな8ビートなのですが、それがYOUの音数の多いギターを際立たせてくれています。
音の輪郭がはっきりした太いサウンドもかっこいいです。
そして、何よりMORRIEの上品な声が最高。
攻撃的ながら、大人な歌声ではないでしょうか。
清春やL'Arc~en~CielのHydeは、彼の影響を受けていることを公言していますが、彼の歌声を聴くとそれをストレートに感じると思います。
20年たって衰えるどころか、かえって声の深みを増したのではないでしょうか。
激しくも高級感のあるロックを是非聴いてみてください。
それでは。
爆風スランプ『Runner』
今日は爆風スランプ『Runner』について。
この曲は、日本のロックバンド爆風スランプが、1988年にリリースした曲で、スピード感と切ない歌詞が印象的なロックチューンです。
日本の高校野球の応援歌の定番曲としても有名な曲です。
ビートでいえば疾走曲ですが、メロディにも味があります。
A~Bメロまでは、どことなく影のある歌メロが流れますが、サビではその逆に近いような、グンッと迫ってくるようなメロディに入ります。
迫力と哀しさのバランス感が秀逸ではないでしょうか。
世間では明るいイメージを持たれがちな曲ですが、歌詞の内容は、この曲を最後に脱退したBa.江川ほーじんの姿になぞらえて生み出さされた、という繊細なもの。
「瞳の中風を宿した 悲しいほど誠実な」
「君に何をいえばよかったのだろう」
「僕は君に・・・と言った」では無く、むしろ曖昧に「何を言えばよかったのだろう」という表現にしているのが、刺さりますよね。
重く生々しく、とても美しい歌詞だと思います。
エネルギッシュで、それでいて儚い世界観の音楽を是非聴いてみてください。
それでは。
D’espairs Ray『Mirror』
今日はD'espairs Ray「MIRORR」収録曲『Mirror』を聴いた感想を。
この曲は、日本のロックバンドD'espairs Rayが2007年に発表した曲で、激しいリズムと妖艶なメロディが印象的なインダストリアルロックです。
アルバムのタイトル曲に相応しいクオリティをほこる曲です。
曲調は、インダストリアルロックの良いところを、全て凝縮したようなもの。
まずはヘヴィなGtサウンドから入り、そこからダンスミュージックを思わせるバッキングが始まります。
リズムはとても軽快ですが、決して爽快系の曲ではありません。
むしろ良いどろどろさがあって、綺麗なシリアスさを持っています。
サビでの、Vo.HIZUMIの歌声がかっこいいです。
出だしの時点で一度サビは流れるのですが、A~Bメロを挟んでからのサビには、また違った味があると思います。
ところどころに入るグロウルヴォイスが、曲の「激しさ」の部分に彩りを加えてくれています。
そして、何より素晴らしいのは、その流れから入るラストの叙情的な大サビ。
うねるような演奏と、この流麗すぎるメロディとのコントラストがこの曲の最大の聴きどころではないでしょうか。
男らしい曲が多いバンドですが、細やかな感性も併せ持っていることが、彼らの美点だと思います。
濃厚な重さの音に織り混ぜられた、デリケートなメロディを是非堪能してみてください。
それでは。