Guns N’Roses『Paradise City』
今日はGuns N’ Roses「Appetite for Destruction」収録曲『Paradise City』について。
この曲は、アメリカのロックバンドGuns N’ Rosesが、1987年に発表した曲で、硬質な演奏とメロディアスな歌メロが特徴的なヘヴィメタルです。
ギブソン公式サイト「’80年代の偉大な50曲」に選出された曲としても有名です。
歌詞は、路上で暮らす少年を主人公としたもの。
「芝生は青く女の子達はかわいい 楽園の街へとオレを連れて行ってくれよ」
苛烈な環境の中から、豊かな居場所に移り住むことを夢みる主人公の心境が表現されています。
こういう「いつか成り上がりたい」というような歌詞は、良い意味でいかにもロック!ですよね。笑
曲調は、壮大なHR/HM。
綺麗なイントロ、シャウト声のVo、太い音色のリフ、そして個人的に最高潮はDrソロ直後の急加速。
音楽評論家のスティーヴ・ヒューイはこの曲を
「長い曲でありながら、“Paradise City”はとりとめのなさや過剰さを感じさせず、バンドの作曲の密度の濃さや、演奏集団としての能力を物語っている」
と評しています。
良いHR/HMは、音色だけじゃなく構成も素晴らしいものですよね。
力強いサウンドと、ドラマティックな展開のHR/HMが好きな人にオススメな曲です。
それでは。
Backstreet Boys『I want It That Way』
今日はBackstreet Boys『I want It That Way』について。
この曲は、アメリカの男性アイドルグループBackstreet Boysが、1999年にリリースした曲で、ダイレクトな歌詞と柔らかなメロディが印象的なポップバラードです。
ファンの間では、「彼らの代表曲のひとつ」と評される曲です。
曲調はすっきりとしていて、余分な音が無い、という印象。
バックの演奏は哀しげですが、歌声はとても優しいです。
サビでの、Voとコーラスの絡みは感動的ではないでしょうか。
歌詞は寂しげなもの。
「あの頃に比べたら 僕らはもうばらばらになってしまった」
「距離なんかの問題じゃない 僕の心の深いところを君に知ってほしいんだ」
強く結ばれていた恋人同士のすれ違いが描かれています。
穏やかな歌声が、歌詞の切なさをさらに引き立てているように感じます。
また、とにかくスケールの大きな記録を残した曲です。
ビルボードトップ40で1位
加えて、ヨーロッパの国々を含む25ヵ国で1位
グラミー賞3部門ノミネート
ひとつひとつだけを見ても、充分すぎるほど凄い記録ですよね。
「良い音楽は国境を超える」を体現した曲ではないでしょうか。
世界中の人々の心に届いた素晴らしい歌声を、是非聴いてみてください。
それでは。
Gackt『Jesus』
今日はGackt『Jesus』を聴いた感想を。
この曲は、日本のシンガー・ソングライターGacktが、2008年にリリースした曲で、攻撃的なサウンドと変幻自在な歌声が特徴的なラウドロックです。
享楽産業「CRスロぱちんこグラディエーターエボリューション」のCMソングとしても有名な曲です。
「Wake me up この夢から」
「Real or dream? 教えてくれMaria…」
おそらく「Jesus」とは、「Maria(マリア)」の子供。
つまりはイエス(キリスト)のことですよね。
この歌詞の内容は、2ndアルバム「Rebith」(2001年)の続編とのことですが、それをストレートに、それでいて悲痛に表現したフレーズだと思います。
この曲は、サビの歌声がかっこいいです。
出だしのハイトーンシャウト、HR/HM並の音圧の演奏の時点で、すでに充分すぎる程の勢いがあるのですが、そこからこの爆発的なサビに入ると、リスナーを圧倒するほどの迫力に達します。
Gacktの曲というと、世間ではバラードのイメージを持つ人も多いようですが、この曲を聴くと、やっぱりこの人の本質はロックスターなんだな、と思わせてくれます。
中間で入る、デスVoのような歌声も良いですね。
彼に繊細な曲を歌う歌手、という印象を持っている人ほどギャップを楽しめる歌ではないでしょうか。
それでは。
ストラトヴァリウス『Hunting High and Low』
今日はStoratovarius「Infinite」収録曲『Hunting High and Low』について。
この曲は、フィンランドのパワーメタルバンドStoratovariusが、2000年に発表した曲で、きらびやかな演奏とポップな歌メロが特徴的なネオクラシカルメタルです。
Gt.ティモ・トルキが、精神病から復帰してから1作目のアルバムから、シングルカットされた曲でもあります。
Voのメロディラインが最高です。
ミドルテンポ、リズムは8ビートを基本とし、短めのGtソロなど、彼らの曲としては珍しいほどシンプルなのですが、とにかく歌メロが良い曲だと思います。
ラストの転調部分で入る高音のコーラスが、楽曲を思いきり盛り上げてくれています。
この曲で、好きなのは歌詞です。
「憂いは置き去りにして 心と体の自由を感じよう」
「僕の旅路は始まり、僕は風と共に漂っていく」
「僕は進んでいく」
読んでいると、胸が軽くなっていくような歌詞ですよね。
作詞者はVo.ティモ・コティペルトですが、個人的な憶測では、精神的には病み上りだった当時のトルキの為に、コティペルトが「気負わなくていい」というメッセージを込めて、この詞を書いたんじゃないか、と思ったり。
聴き手を、胸に抱える重圧から解き放ってくれる曲ではないでしょうか。
それでは。
レベッカ『フレンズ』
今日はレベッカ『フレンズ』について。
この曲は、日本のロックバンドレベッカが、1985年にリリースした曲で、縦ノリのリズムと影のあるメロディが印象的なロックチューンです。
ドラマ「ハーフポテトな俺たち」のEDテーマだった曲としても知られています。
歌詞は、青春時代の恋愛を思わせる内容。
「口づけをかわした日は」
「ママの顔さえも見れなかった」
初々しくも、沢山の人が共感できる歌詞ですよね。
聴きながら、自身の若い頃を思い出した大人達も多いのではないでしょうか。
曲調は王道のJ-ROCK,。
ニューウェーブ色が強い楽曲が多かった当時のレベッカでは、こういうストレートな曲は、むしろ新鮮だったと思います。
出だしの時点で、沢山のリスナーが心を捕まれたよね。
Gtと個性的なサウンドのKeyの絡みが綺麗です。
軽快ながらも、神秘的な雰囲気を感じます。
何よりも、キャッチーなのに、どこか哀しげな歌メロが最高です。
くっきりとした音色の演奏も良いですが、この曲は歌の音階が素晴らしいと思います。
それを表現する、良い意味で擦れた声色のVo.NOKKOの歌声が、歌メロの魅力をさらに高めてくれていますよね。
アップテンポながらも、叙情的なところが良い曲だと思います。
1999年には「remixed edition」Verも出ているので、そちらもオススメです。
それでは。
小松未歩『氷の上に立つように』
今日は小松未歩『氷の上に立つように』を聴いた感想を。
この曲は、日本のシンガー・ソングライター小松未歩が、1998年にリリースした曲で、静かな歌声と情熱的な世界観が印象的なポップバラードです。
アニメ「名探偵コナン」のタイアップ。
また、彼女自身の曲の中でも、TOP3に入る売り上げを記録した曲としても知られています。
曲調はタイトルの通り、どこか冷えた雰囲気があります。
透き通るようなKeyのサウンドが「氷」を連想しているような印象です。
ただ、「冷えた雰囲気」と言っても無機質ではありません。
むしろその冷たさと、小松未歩の消え入りそうなVoが、かえって曲の情緒を引き立たせているような感覚がすると思います。
歌詞の内容は、曲の雰囲気とは逆に熱いもの。
「宇宙船が目の前に降りたら」
「迷わず手を伸ばし その船に乗り込みたい」
「その日 一日を悔やみたくないから」
「きっと友達だって残し 地球を旅立つの」
「友達だって残し」というと、これも一見冷たい感じがするかもしれませんが、とちらかと言うと
「大事な友達を置いてでも、未知の世界を体験してみたい」
という感情が伝わってくると思います。
確かに友人と過ごす日々も温かくて良いものですが、それこそ「氷の上に立つように」、時には行ったことが無い場所に、1人で旅に出るような時間があった方が、より充実した人生に近づけるかもしれませんね。
基本的には恋愛や、人との繋がりの歌詞が歌われることが多い日本のポップスで、こういう内容の歌は珍しいと思います。
美しい衝動と、強い意志が込められた曲を是非聴いてみてください。
それでは。
マノウォー『Wheels of Fire』
今日はManowor「Kings of Metal」収録曲『Wheels of Fire』について。
この曲は、アメリカのヘヴィメタルバンドManoworが、1988年に発表した曲で、聴き手を押しきるような圧力が特徴的なパワーメタルです。
スピード感では、彼らの楽曲の中でも随一の曲ではないでしょうか。
出だしでは、まずバイクのエンジン音のSEが流れ、雰囲気を盛り上げてくれます。
その後の展開は、その演出に相応しい、勢いのあるもの。
スラッシュメタルのような疾走感のあるリフが流れ、まるで本当に、全速力で走るバイクに乗せられているような気分を味わうことができます。
それにのるVo.エリックの歌唱も素晴らしい。
ところどころで披露される、超高音スクリームがかっこいいです。
エリックといえば、4オクターヴの声域を持つVoとしても有名ですが、高音域の叫び声なのに声色がナチュラルなのは、この音域の声を完全に操っているからなんでしょうね。
この曲で好きなのはサビメロです。
太く滑らかな中音域で歌われる歌メロが最高です。
A~Bメロまでは、メタル色全開のシャウト声なのですが、そこから急激にメロディアスになる展開がおいしいと思います。
Manoworといえば、
「ライヴでの演奏が、世界で最も大音量のバンド」
としてギネス世界記録を獲得したことがある、ということでも有名ですが(現在では、“聴力障害を促す恐れがある”という理由で、このカテゴリは廃止)、演奏音の大きさだけじゃなく、メロディのセンスも素晴らしいのが、硬派なメタルファンから長く愛される理由なのかもしれませんね。
圧倒的な迫力の演奏にのる、哀愁のメロディを聴きたい人にオススメの曲です。
それでは。